
抵抗する社員は、あなたの会社を映す鏡だ。
「AIを使ってみましょう」と言ったら、「私にはムリです」と返ってきた。
そんな経験、ありませんか?
石川県内で人事を担当されている方から、この相談をよく受けます。
「研修を実施しても、社員が全然使おうとしない」
「ベテランほど、拒絶反応が強い」
「強制したらパワハラと言われそうで…」
正直に言います。
これ、社員が悪いわけでは一切ありません。
むしろ、拒絶する社員の気持ちは、正しいのです。
でも、だからこそ進まなければならない。
その矛盾を、今日は一緒に解きほぐしたいと思います。
Contents
なぜ人は、便利なものを拒絶するのか
企業を回っていると、「拒絶する人」には必ずパターンがあります。
「私の仕事が奪われる」という恐怖です。
20年間かけて磨いてきた営業のコツ。手書きの日報。取引先との電話の関係構築。
それを「AIで効率化」と言われたら、どう聞こえるでしょう。
「あなたのやり方は、もう古い。機械の方が上です」
…そう聞こえますよね。当然です。
人は、自分の存在価値を否定されると感じたとき、新しいものを拒絶します。
これは怠慢でも無知でもない。自己防衛の本能です。
「便利」という言葉が、逆効果になる理由
石川県内の製造業で、こんなことがあったそうです。
「議事録をAIで自動作成できます。5分の作業が1分で終わります」と説明した瞬間、ベテランの総務担当の女性がスッと席を立ちました。
後から聞いたら、「私の仕事がなくなるということですよね」と。
「そういう意味じゃない」と慌てて言いましたが、遅かった。
心のシャッターが閉まっていました。
あの失敗から学べる事があります。
「便利になる」という言葉は、仕事に誇りを持つ人ほど、脅威に聞こえる。
人事担当者として、この事実だけは先に知っておいてください。
拒絶する社員に、本当に必要な言葉
では、どうすればいいのか。
「あなたの仕事はなくならない」ではなく、「あなたの仕事が、もっと大事になる」 という伝え方に変えることです。
採用担当者にAIを使ってもらう場合で考えてみましょう。
❌「書類選考をAIがやるから、あなたは楽になります」
⭕「書類選考の時間が減った分、候補者と深く向き合える時間が増えます。AIには絶対にできない『この人を見極める眼』を、あなたにもっと使ってほしい」
この言い換えひとつで、反応がまったく変わります。
AIは「仕事を奪うもの」ではなく、「雑務を引き受ける部下」です。
その部下の使い方を決めるのは、人間であるあなたの判断力と経験。
これは、いつまでたっても変わりません。
石川の中小企業だからこそ、できること
東京の大企業は「全社員に研修を義務付け、使わなければ評価を下げる」という力技でAI導入を進めることができます。
でも、石川の中小企業には、それができないし、する必要もないと私は思っています。
少人数だからこそ、一人ひとりの不安に向き合える。
「うちの会社は、あなたのことを見ている」という安心感が、変化への一歩を生みます。
人手不足が深刻な石川の地方企業にとって、社員の離職は致命傷です。
「AIを使え」と追い詰めて人が辞めるくらいなら、「一緒に試してみよう」と寄り添う方が、よほど会社を守ります。
【結論】拒絶する社員は、敵ではない
「AIを嫌がる社員」は、変化を恐れているだけです。
その恐れの正体を知ったうえで、「あなたの価値はなくならない、むしろ上がる」と伝えること。
それが、石川の人事担当者にできる、最強のDX推進です。
単なるITツールの研修で終わらせるのではなく、社員の不安と向き合い、組織全体を変える伴走支援を、ぜひ一緒にやりましょう。
