
「一から作る」という呪縛から、そろそろ解放されませんか。
その「当たり前」、本当に当たり前ですか?
自治体の現場で、こんな光景を見たことはありませんか。
広大なエリアを車で何時間もかけて回り、空き家や休耕田の状態をデジカメで撮影する。
帰庁後、紙地図と写真を一枚一枚照らし合わせながら、Excelで報告書を作成する。
「昔からこうやってきたから」
「予算がないから仕方ない」
そう言い聞かせながら、膨大な時間を費やしている職員の方々。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
その作業、本当に「人間がやるべき仕事」ですか?
Contents
日本のDXが進まない「本当の理由」
私は石川県内で70回以上、生成AIやDXのセミナーに登壇してきました。
その中で気づいた、ある「病」があります。
それは「業務に合わせた専用システムを、一から作らなければならない」という思い込みです。
「うちの業務は特殊だから、既存のツールでは対応できない」
「だから数百万、数千万かけてスクラッチ開発するしかない」
この発想、実はものすごく危険です。
高額な開発費。 使いにくい操作画面。
そして、永遠に続くメンテナンス費用。
結局、誰も使わなくなったシステムが、サーバーの片隅で眠っている——。
そんな「IT投資の墓場」を、私は何度も見てきました。
「組み合わせる」という発想への転換
ここで提案したいのが、「あるものを組み合わせる」という考え方です。
たとえば、Googleが提供している4つのサービス。 私はこれを勝手に「Google四天王」と呼んでいます。
- AppSheet(アップシート):プログラミング不要でアプリが作れる
- Gemini(ジェミニ):音声やテキストを理解するAI
- Looker Studio(ルッカースタジオ):データを見える化するダッシュボード
- NotebookLM(ノートブックエルエム):資料を読み込んで質問に答えるAI
これらを「組み合わせる」だけで、驚くほど実用的な仕組みが作れます。
具体例:空き家・休耕田の巡回管理
先ほどの自治体業務を、Google四天王で変えてみましょう。
【AppSheet】
スマホに巡回アプリを入れます。 地図上で物件をタップして、写真を撮るだけ。
GPSと連動しているので、「どこで」「何を撮ったか」が自動で記録されます。
たとえるなら、「スタンプラリーの台紙が、勝手に写真付きで完成していく」ようなイメージです。
【Gemini】
現場で気づいたことは、音声で入力します。
「草丈1メートル、不法投棄あり、至急対応必要」 これだけ話せば、役所提出用のフォーマットに自動変換してくれます。
【Looker Studio】
集まったデータは、地域全体の「荒廃マップ」として可視化。
どのエリアに問題が集中しているか、一目で分かります。
高額な専用システムなど、必要ありません。
大切なのは「Google」ではない
誤解しないでいただきたいのですが、私は「Googleが最高だ」と言いたいわけではありません。
たまたま今、Googleのサービスが組み合わせやすいから紹介しているだけです。
本来なら、日本発のサービスでこれができれば理想的です。
でも残念ながら、現時点ではそういった選択肢が見当たりません。
だからこそ、「今あるもので、今できることをやる」。
これが、地方の現場で私が大切にしている考え方です。
あなたの組織はどうですか?
「専用システムを作らなければ」という呪縛に、とらわれていませんか。
既存のツールを「組み合わせる」という発想、試してみませんか。
高額なシステム開発の前に、まずは無料で使えるツールから始めてみる。
その一歩が、組織のDXを大きく前進させるかもしれません。

