
私は生成AIを毎日使い続けて、もうすぐ2年になります。
だからこそ、「なくなる仕事」について考える機会が、ほかの人より多いんです。
そしてある日、ふと頭をよぎったのが「ラッダイト運動」のことでした。
敵が「見えていた」時代
ラッダイト運動って、ご存じですか?
19世紀のイギリスで起きた「機械打ちこわし運動」のことです。
産業革命で機械が導入され、職を失うことを恐れた職人たちが、工場に押し入ってハンマーで機械を壊しまくった。
そんな歴史的な事件です。
当時の職人たちは、敵がはっきり見えていました。
「あの機械が、俺たちの仕事を奪うんだ!」
だから、壊せたんです。
でも、今回の敵は「透明」です
でも、今回は違います。
生成AIは、ニュースでは目にするけれど、実態が見えません。
サーバーの中にいて、空気のように業務に浸透している。
だから多くの人は、危機感を肌で感じることができないんです。
そして私は、こう予測しています。
5年後、仕事をAIに奪われる人の多くは、「AIに奪われた」ことすら理解できないまま市場から退場する。
これがどういうことか、ひとつのストーリーでお話しします。
ある制作会社の「静かなる死」
ある地方都市に、老舗のデザイン制作会社「A社」がありました。
ベテランの職人が丁寧に時間をかけて、質の高いデザインを作る会社です。
提案は3案。納期は1週間。見積もりは30万円。
「良いものを作れば、お客さんはちゃんと選んでくれる」──そう信じてきました。
一方、隣町に新しくできた「B社」は、こんな働き方をしています。
画像生成AIで「たたき台」を100案作り、人間が選んで微調整する。
提案数は20案。納期は翌日。見積もりは10万円。
クオリティは、A社の「100点満点」には届かないかもしれません。
でも、ビジネスで使える「80点」はしっかりクリアしています。
さて、クライアントはどちらを選ぶでしょうか?
答えは明白です。B社を選び続けます。
そして、A社の社長は嘆くのです。
「最近、不景気で仕事が減ったなあ。安売り業者が増えたせいだ」
A社は、自分が「AIに負けた」ことすら知らずに倒産します。
なぜなら、AIが仕事をしている姿を一度も見ていないから。
「理由のわからない失注」という現実
これが、5年後に起きる「奪われたことが分からない」現象です。
「AIに仕事を奪われる」というと、ロボットがあなたの席に座るシーンを想像しがちです。
でも実際は、そうじゃない。
「理由のわからない失注」として現れるんです。
「なぜか最近、問い合わせが減った」
「なぜか競合に勝てなくなった」
「なぜか若い会社にシェアを奪われている」
その「なぜか」の正体が、AI。
でも、それに気づけない。
これが、現代の「ラッダイト運動が起きようもない理由」です。
壊すべき対象が見えないんですから。
透明な武器を、あなたも握ってください
では、どうすればいいのか?
答えはひとつです。
自分も、その「透明な武器(AI)」を使う側になることです。
拒絶するのではなく、使いこなして共存する。
ラッダイト運動のように抵抗しても、歴史は進みます。
だったら、進む側に立ちましょう。
「気づいたら終わっていた」にならないために、今すぐ触り始めてください。
たとえそれが、小さな一歩でも。
石川県金沢市で、私は毎日そんな「最初の一歩」を支援しています。
生成AIを使い続けて2年。
だからこそ見えてきた、この「残酷な真実」を、一人でも多くの方に伝えたい。
そう思って、今日もこうして書いています。

