「何から手を付ければ…」その悩み、問いの立て方で9割解決します【中小企業DXの現場から】

「石原さん、うちもDXを進めたいんだけど、何から手をつけていいかサッパリで…」。

これは、私が中小企業の経営者の方々から、本当によくお聞きする言葉です。

最新のITツールやAIの話題が飛び交う中、焦りを感じつつも、どこから踏み出せばいいのか分からない。

その気持ち、痛いほどよく分かります。

そんな時、私は決まってこうお聞きします。

「そもそも、なぜDXが必要だとお感じになったんですか?」と。

少し意地悪な質問に聞こえるかもしれません。

しかし、この「問い」こそが、全てのスタートラインになるのです。

「忙しい」を疑うことから始まる、本当の課題発見

多くの現場で、「人手不足で忙しいから、ITで効率化したい」という声を聞きます。

一見、もっともな理由です。

しかし、そこで思考を止めずに、もう一歩だけ深く問いを立ててみませんか?

「なぜ、そんなに忙しいんだろう?」

私が伴走支援をさせていただいたある製造業の社長は、当初「見積もり作業に時間がかかりすぎている」と感じていました。

そこで一緒に「なぜ時間がかかるのか?」を5回繰り返してみたのです。

  1. なぜ時間がかかる? → 過去の類似案件を探すのに手間取っている。
  2. なぜ探すのに手間取る? → データが個人のPCにバラバラに保管されている。
  3. なぜバラバラに? → 会社としての管理ルールが決まっていない。
  4. なぜルールがない? → 誰が責任者なのか曖昧になっている。
  5. なぜ曖昧に? → そもそも、過去のデータを資産として活用する意識がなかった。

ここまで掘り下げて初めて、「単なる見積もりソフト導入」ではなく、「全社的な情報共有の仕組みづくりが本質的な課題だ」ということが見えてきました。

もし最初の「忙しい」だけでツールを導入していたら、根本的な解決には至らなかったでしょう。

思考の壁を壊す「もしも…」の魔法

「なぜ?」を繰り返して現状を深掘りしたら、次は未来に目を向けるための問いを立ててみましょう。

私がよく使うのが、「もしも…」という仮説の問いです。

  • 「もし、今の半分の時間で仕事が終わったら、空いた時間で何がしたいですか?」
  • 「もし、競合のA社さんが、うちの会社の一番嫌なところを突いてくるとしたら、それは何だと思いますか?」
  • 「もし、全くの未経験者でも、明日から即戦力になる仕組みを作るとしたら、何が必要ですか?」

このような「もしも」の問いは、普段の業務の延長線上では出てこないような、新しい視点やアイデアを引き出してくれます。

これは、私がセミナーでワークショップを行う際にも、一番盛り上がる時間です。「先生」として一方的に教えるのではなく、皆さんと一緒に「もしも…」を考える。

その中から、会社の未来を照らすヒントが生まれる瞬間を、私は何度も目撃してきました。

「問い」を立てるのが怖い、あなたへ

ここまで読んで、「理屈は分かるけど、そんなに上手く問いなんて立てられないよ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

その気持ちも、よく分かります。答えのない問いと向き合うのは、不安で、怖いものです。

実は、私自身も昔はそうでした。目の前の仕事をこなすのに精一杯で、本質を問うことから逃げていた時期もあります。

しかし、地方で挑戦する多くの中小企業の皆さんと現場で向き合う中で、気づいたのです。

最高の武器は、最新のテクノロジーではなく、それを「何のために使うのか?」という、深く、誠実な「問い」である、と。

私たちは、ツールを売る専門家ではありません。

あなたの会社の未来を一緒に考え、課題の本質を共に見つけ出し、テクノロジーという武器を授ける「伴走者」です。

まとめ

仕事や経営が複雑さを増す現代において、「正解」を追い求めるだけでは、すぐに道に迷ってしまいます。大切なのは、自分たちにとっての「良い問い」を見つける力です。

「何から手をつければいいか分からない…」

もし今、あなたがそう感じているなら、ぜひ一度立ち止まって、自社に、そして自分自身に問いを立ててみてください。

  • 私たちは、なぜ、この仕事をしているんだろう?
  • そして、本当はどこへ向かいたいんだろう?

その問いへの答えが、必ずあなたが進むべき道を照らしてくれるはずです。

もし一人で考えるのが難しければ、いつでも声をかけてください。

一緒に、あなたの会社の未来を拓く「最高の問い」を見つける旅に出ましょう。

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この記事を書いた人

石原 愛信(いしはら あきのぶ)

石川県DX専門家 / 中小企業支援コーディネーター
石川県内の中小企業・小規模事業者様向けに、生成AIやITツールを活用した業務効率化の伴走支援を行っています。2年間で商工会連合会や企業などで65回以上のセミナー・研修に登壇 。

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私のコンサルティングや伴走支援には、費用の一部を公的機関が負担する「専門家派遣制度」をご利用いただけます。ISICO(石川県産業創出支援機構)や石川県商工会連合会などに、公式な専門家として登録しております。各機関の窓口でご相談される際に、「石原さんの支援を受けたい」と一言お伝えいただくと、手続きがスムーズです。

制度の詳しい利用方法なども、お気軽にお尋ねください。

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