
顧問契約で買っているのは、相手の肩書きではありません。相手が今月ぶつかった現場のほうです。
※本記事は2026年10月時点の情報にもとづいています。
先日、ある工業団地から1通のメールが届きました。
生成AIの基本研修を、何回かに分けてやってほしいというご依頼です。
まず経営者の方向けに1回。そのあと、実際に使う方向けに2回。
こうした直接のご依頼が、いまは月に1〜2件届くようになりました。本当にありがたいことです。
メールを読みながら、ひとつ考えたことがあります。
依頼する側は、何を見て「この人に頼もう」と決めているのだろうか。
研修なら、1回で終わることもあります。けれど、生成AIの顧問契約となると話が変わります。
半年、1年と、毎月同じ相手と向き合うことになるからです。
選び方を間違えると、その時間がまるごと空回りします。
今日は、選ばれる側にいる私から見えている「顧問契約の選び方」を書いておきます。
顧問契約を結ぶ前に、何を見ればいいのか
顧問を選ぶとき、多くの方がまず見るのは、次のようなものではないでしょうか。
- 肩書き
- 登壇や研修の回数
- 名の知れた取引先
これで選んでうまくいく分野は、確かにあります。
税務や法務のように、知識と経験が積み上がるほど確かになる分野です。
ただ、生成AIとDXは少し事情が違います。
道具が、半年で入れ替わるのです。
去年の正解が、今年はもう画面のどこにもない。そういうことが当たり前に起きます。
肩書きは「過去にできた」ことの証明です。
けれど、生成AIの顧問に求められるのは「いま、できる」ことです。
だから私は、こう考えています。
生成AI・DXの顧問契約で見るべきなのは、相手がいま、自分の事業で何を回しているかです。
私がいま回している4つのこと
比べる材料として、私自身のことを書きます。私がいま回しているのは、次の4つです。
- 発信:ブログ・note・LinkedInを更新し、SNSで広げている
- 職業訓練:1日6時間を約20日間(1期120時間)。DX講座は7期目で、累計600時間を超えました
- 自主セミナー:会場の予約、設営、集客まで、自分でやっている
- 企業・施設からの研修と相談:2年間で80回以上。のべ800名を超える方とご一緒してきました
この4つは、別々の仕事ではありません。1つの輪になっています。
企業で受けた相談を、職業訓練の教室に持ち帰る。新しく自分で試したことを、セミナーで公開する。
そこで起きたことを記事に書く。記事を読んだ方から、また相談が届く。
冒頭のメールも、この輪のどこかから届いたものです。
受講生の詰まりを次の現場へ運ぶ話は、以前の記事に書きました。
今日は、この輪の中で、顧問という仕事にいちばん効いている1か所の話をします。
なぜ「自分で集客している人」が顧問に向いているのか
4つの中で、顧問の価値にいちばん効いているのは、3つ目の自主セミナーです。
依頼を受けて登壇する方は、たくさんいらっしゃいます。それ自体はとても大切な仕事です。
私はそれに加えて、自分でセミナーを開いています。
会場を押さえる。告知文を書く。申し込みを受け付ける。
当日は机と椅子を並べ、電源を引き、受付に立つ。
思ったより人が集まらない日もあります。
これは、講師の仕事ではありません。事業者の仕事です。
つまり私は、御社の経営者の方と同じ側に立って、同じ種類の詰まりを、いま踏んでいます。
人を集めるのが難しい。準備に時間がかかる。うまくいかなければ、やり方を変えて次の回でまた試す。
その繰り返しの中で、生成AIをどこで使い、どこでは使わないかを、自分の事業で確かめています。
だから、顧問の時間に持っていく話は、資料から拾った話ではありません。
その月に自分で試して、うまくいったことと、いかなかったことです。
顧問契約で買っているのは、知識ではありません。相手が今月ぶつかった現場のほうです。
介護の現場でも、A施設の答えはB施設にそのままは使えない
最近は、中小企業に加えて、介護福祉の法人からのご依頼が増えています。
同じ介護福祉といっても、規模も、ITに慣れている度合いも、施設ごとにまったく違います。
A施設でうまくいった記録や申し送りのやり方が、B施設でそのまま使えるとは限りません。
ただ、使えない理由を一緒に見ていくと、次に使える部分が見えてきます。
職員の人数が違うのか。端末の台数が違うのか。それとも、決める人が違うのか。
これを見比べられるのは、いくつもの施設に出入りしている外部の人間です。
個人情報や外に出してはいけないことには十分に気を配りながら、知見そのものは、次の施設にお渡しできます。
顧問の時間は、AIの話だけでは終わらない
顧問の時間に出てくる相談は、生成AIの使い方だけではありません。
最後は、売る・集める・回すの話になります。
私はこれまで、日本から海外向けの越境ECや、アメリカでのオンラインショップの運営に携わってきました。
カナダでは学資保険の告知ページを制作しました。
帰国後は温泉旅館のECサイト運営、ふるさと納税、アプリの運用を担当し、個人では民泊と、訪日のお客様向けの事業も運営してきました。
並べたかったのは経歴ではありません。
ECや集客、インバウンドの相談が出てきたときに、AIの話と地続きで答えられる、ということです。
話すだけでなく、その場でできるようにする
もうひとつ、大事にしていることがあります。
顧問の時間には、ITツールや生成AIを実際に画面で動かして見せます。
見せて終わりにはせず、その場で相手の方の手でできるところまで進めます。
触る環境がすべてです。
聞いただけの知識は、次の月までにほとんど残りません。
顧問契約の選び方|契約前に確かめたい3つのこと
ここまでの話を、選ぶ側のチェックリストにまとめます。
私に頼むかどうかに関係なく、使っていただけたらと思います。
- その人は、いま自分の事業で何を回しているか 過去の実績ではなく、今月の話ができるかどうか。
- 先月と今月で、何が変わったかを話せるか 道具の入れ替わりに、ついてきているかどうか。
- その場で画面を開いて、やって見せられるか 話だけで帰らないかどうか。
この3つに答えられる相手であれば、肩書きがどうであれ、毎月の時間は空回りしないはずです。
生成AI・DXの顧問契約|よくある質問
Q1. 生成AI・DXの顧問契約とは、どういうものですか?
A. 月に1回ほど、外部の人と定期的に会い、生成AIやITツールの使い方、業務の進め方を相談できる契約です。単発の研修と違い、研修のあとに出てくる「あれ、どうやるんだったか」を、続けて聞ける相手がいる状態をつくります。
Q2. 単発の研修と顧問契約は、何が違いますか?
A. 研修は、その日に「できた」をつくる場です。顧問契約は、その「できた」を職場に残す場です。生成AIは道具が半年で入れ替わるため、1回の研修だけでは、数か月後に使い方が合わなくなることがあります。
Q3. 顧問契約の相手は、何を基準に選べばいいですか?
A. 肩書きや登壇回数よりも、相手がいま自分の事業で何を回しているかを見ることをおすすめします。具体的には「今月の話ができるか」「先月から何が変わったかを話せるか」「その場で画面を開いて見せられるか」の3つです。
Q4. ITが苦手な社員ばかりでも、顧問契約を結ぶ意味はありますか?
A. あります。むしろ、社内に聞ける人がいない会社ほど、外部に聞ける相手がいる価値は大きくなります。話を聞くだけで終わらせず、その場で一緒に画面を動かし、社員の方の手でできるところまで進めることが大切です。
Q5. 介護福祉の施設でも、生成AIの顧問契約は使えますか?
A. 使えます。記録や申し送り、議事録、求人票など、書く仕事が多い現場ほど相談が出てきます。ただし、施設ごとに規模やITへの慣れが違うため、よその施設のやり方をそのまま持ち込まず、自分の施設に合う形に直していくことが前提です。
Q6. 顧問契約の料金や期間は、どれくらいですか?
A. 内容・料金・期間は、DX伴走顧問のページにまとめています。この記事の最後にリンクを置いています。
まとめ|顧問の時間に持っていくのは、その週の話です
私はいま、石川・富山・福井で、自分で会場を押さえ、人を集め、教室に立っています。
顧問の時間に持っていくのは、その週の話です。
この顧問という形は、1年以上前にお客様からいただいた一言がきっかけで始めました。
その経緯は、こちらの記事に書いています。
最後に、ひとつだけ問いを置いておきます。
御社がいま相談している相手は、今月、何を自分で試していますか。
DX伴走顧問の内容と料金は、こちらにまとめています。 ▶ DX伴走顧問


