介護の求人票を出し続けているのに、応募が来ない|「届いたか」を測る設定を、誰もしていませんでした

求人票を出すのは仕事。出したあとに何が起きたかを見るのは、誰の仕事でもない。

求人票は、毎月出していると思います。
行事のおたよりも、ホームページの更新も、見学案内の刷り物も。

では、先月出した求人票を、何人が見たか。ご存じでしょうか。

これは、人のことを言える話ではありません。

私は同じことを、1,000本以上やってきました。
そして昨日、それを初めてまともに開いてみて、手が止まりました。

生成AIでチームを組んでも、自動化されずに残る仕事があります

いま私は、生成AIに複数の役割を持たせて、日々の作業のかなりの部分を任せています。

資料の下ごしらえ、記事の構成、日程の整理、送る前の確認。
ひとりで全部抱えていた頃とは、動く量が変わりました。

それでも、思ったほど自動化は進んでいません。

理由ははっきりしていて、「まだ何を任せていないか」の棚卸しだけは、誰も勝手にやってくれないからです。

任せる作業を決めるのは、いつまでも人間の側の仕事です。
だから私は先週から、自分の一日を分解して、任せられるものを一つずつ書き出しています。

そこで最初に出てきたのが、いちばん地味な作業でした。

これは会社でも同じだと思います。生成AIを入れた組織が最初に自動化するのは、たいてい「作りたい仕事」です。

資料、文章、案内文。「見たくない仕事」は、後ろに回ります。

昨日やったのは、自分なら一生やらなかった作業でした

昨日やったのは、Google アナリティクス(自分のサイトに来た人がどう動いたかが分かる無料の道具)と、Google サーチコンソール(検索で何と入力されて自分のページが表示されたかが分かる無料の道具)の、設定の見直しです。

正直に書きます。

自分ひとりなら、たぶん一生やらなかった作業です。

面白くありません。その日の成果物が何も残りません。誰にも見せられません。

「昨日は設定を見直しました」と言っても、誰も反応のしようがない。

だから、10年でも後回しにできてしまいます。

※設定の手順そのものは、ここには書きません。
この記事で書きたいのは、手順ではなく順番の話だからです。

なぜ「反応が見えない発信」は、続けるほど判断を誤るのか

反応の機能がある場所は、楽です。読まれなければ、その日のうちに分かります。
外したことが即座に返ってくるので、次の日に直せます。

問題は、反応の機能がない場所です。

求人票を貼っても、拍手は返ってきません。おたよりを配っても、既読はつきません。
ホームページを更新しても、その日は何も起きません。
そして何も起きないという事実は、二通りに読めてしまいます。

  • 届いていない
  • まだ届いていないだけ

人はほぼ確実に、後者で読みます。私もそう読んできました。

そうすると、次に手が動く方向は一つしかありません。

量を増やすです。

もっと出そう、もっと更新しよう、もっと書こう。

これは怠慢ではありません。情報がないときの、いちばん合理的な反応です。

ただ、合理的なだけで、正しいとは限りませんでした。

開いてみたら、狙った言葉では来ていませんでした

昨日、3か月分の検索の記録を開きました。

まず、悪い話ではないところから。

表示はされていました。

検索結果に出ていないわけではなく、順位も、おおむね1ページ目の下のほうまでは来ていました。

読まれた記事から問い合わせページへの案内も、ちゃんと入っていました。
技術的に壊れているところは、ひとつもありませんでした。

問題は、その中身でした。

仕事につながる言葉で来ていた人は、全体の1%ほどでした。

残りの99%は、私の仕事とまったく関係のない、読み物としての言葉で来ていました。

読まれてはいる。

ただ、読んでいるのは、私に相談したい人ではなかった。

一行にすると、こうなります。

量が足りなかったのではありません。量を増やすほど、外れている側だけが増えていました。

求人票に置き換えると、こういう状態です。

求人票は見られている。

ただし見ているのは、働き先を探している人ではなく、たまたま行事の写真を見に来た地域の方かもしれない。

閲覧数だけを見ていると、この二つは区別がつきません。

測る設定を、なぜ自分では一生やらないのか

ここまで書いて、自分でも不思議です。なぜ10年近く、やらなかったのか。理由は3つあったと思います。

1つ目は、成果物が残らないからです。

設定した日に、見せられるものが何もありません。求人票は形が残ります。設定は残りません。

2つ目は、失敗が見つかる作業だからです。

測れば、うまくいっていないことも一緒に出てきます。見なければ、少なくとも今日は困りません。
これがいちばん大きいと思います。

3つ目は、緊急性がゼロだからです。

今日やらなくても、明日、誰からも催促されません。現場を回している人が後回しにするのは、当然です。

つまりこれは、意志の問題ではありません。

意志で解決しようとしたから、10年後回しになったのです。

だから、仕組みに寄せます。

生成AIに渡すのは「数字を見ること」ではなく、「数字を出して、前の月と比べて、変わったところだけ報告すること」です。判断だけ、人間が持てばいい。

「うちは、そんな数字を見ている暇がない」

見る作業を増やす話ではありません。出す作業のほうを渡すという話です。見るのは、変わったところだけで足ります。

「アクセス解析なんて、Web屋さんの話でしょう」

名前が違うだけです。求人票の閲覧数、見学申込の件数、問い合わせがどこから来たか、体験入居の相談が月に何件か。

出しっぱなしで測っていない業務は、どの業界にもあります。

これから、言葉を選び直します

私がこれからやるのは、本数を減らすことではありません。

当てる言葉を変えることです。

介護の現場が実際に打ち込んでいる言葉。
記録、申し送り、シフト、職務規定、求人票。そちらへ寄せていきます。

そして、おそらく最初は数字が下がります。

いま数字を稼いでいるのは、仕事と関係のない読み物の言葉のほうだからです。

それでも構いません。増やしたいのは総量ではなく、比率だからです。

総量だけなら、今のままでいくらでも増やせます。それをやってきて、1%になりました。

最後に、ひとつだけ持ち帰っていただきたいことがあります。

今月、いちばん多く出している書類を、ひとつ思い浮かべてください。
それが届いたかどうかを、あなたはどの数字で見ていますか。

すぐに答えが出なかったとしたら、それは能力の問題ではありません。

見る欄が、まだどこにも作られていないだけです。

測る仕組みを社内に置くところまでを、月ごとに一緒にやっています。

https://solobizjourney.com/dx-komon/

中小企業・自治体向け|生成AI・DX 実務ワークショップ

研修の翌週、仕事のやり方が変わる。まずは無料相談から。

「AIを導入したいが、現場が使いこなせるか不安」
「号令はかけたが、現場が動かない」
介護・福祉の事業所や、中小企業・自治体の方から、こうしたご相談をいただきます。

  • 石川県商工会連合会 登録専門家
  • 登壇80回超・指導800名超/研修時間は累計600時間超
  • 全員が自分の端末を操作する、少人数ハンズオン

📩 詳細・お問い合わせはこちら(無料相談)

「あわせて読みたい」