
「うちみたいな規模で、DXとか生成AIなんて、まだ早いよね」
石川や富山の経営者と話すと、必ずと言っていいほどこの言葉が出ます。
でも、半分は本音で、半分は違う。
本当に思っているのは、「相談したいけど、誰に聞けばいいか分からない」——これじゃないでしょうか。
東京から来るコンサルは、立派なスライドで「全社最適」だの「データドリブン」だのと語る。
聞いているうちに、自分の会社の話じゃない気がしてくる。
横文字に圧倒されて、わかったフリでうなずいて、結局なにも変わらない。
私はその逆をやってきた人間です。
今日は「DXの正解」ではなく、「なぜ私が中小企業のDX・生成AIの相談相手として、現場で役に立てるのか」を、自分の経歴をさらけ出しながら正直に書きます。
自慢ではありません。むしろ、遠回りと失敗の話です。
Contents
私は「先生」になる前に、現場で何度も転んだ
私のキャリアは、きれいな一本道ではありません。
カナダにワーキングホリデーで飛び込み、言葉も通じないまま越境EC・リユースの世界に入りました。
アメリカではE-VISAでEC店舗の店長を任され、売上の数字に毎日頭を抱えました。
金沢に戻ってからは民泊を運営し、予約が入らない夜の不安も、現場が回らないときの胃の痛みも、全部自分のこととして味わいました。
ここに、共通点があります。全部、小さな商いの「現場」だということです。
人手は足りない。お金も無限じゃない。やることは山積み。
それでも明日も店を開けなきゃいけない。
大企業の会議室では絶対に分からない、この「ヒリヒリした感覚」を、私は頭ではなく体で知っています。
DXや生成AIの話をするとき、私がツールの便利さだけで終わらせないのは、これが理由です。
「議事録が3分で書けます」で経営は変わらない。
「その3分の積み重ねで、社長が本来やるべき仕事に戻れるか」——そこまで話せないと、現場では意味がないんです。
複数の業種を「またいだ」からこそ、翻訳ができる
越境EC、リユース、海外小売、民泊。バラバラに見えるこの経験には、もう一つ価値があります。
業種をまたいで現場を見てきたから、「翻訳」ができるということです。
製造業の社長の悩みを、小売の言葉に置き換えて説明する。
サービス業の人手不足を、EC運営で使った仕組みのたとえで腹落ちさせる。
生成AIという新しい道具を、「プロンプト=AIへの発注書ですよ」と、その人の商売の言葉に変えて渡す。
私が一番嫌いなのは、横文字でマウントを取ることです。レバレッジだのアジャイルだの、相手が「?」となった瞬間に、その人の挑戦は止まってしまう。
だから私は、難しい言葉を全部しまって、目の前の社長の現場の言葉だけで話します。
「教える力」は、導入後の"定着"でこそ効く
私はこれまで、セミナーを80回以上登壇してきました。
今は職業訓練のDX講座で、6期目の講師を務めています。
石川県商工会連合会にも、専門家として登録いただいています。
ここで言いたいのは「すごいでしょ」ではありません。
「教える力がある人は、DXの一番難しいところで踏ん張れる」ということです。
DXの本当の勝負は、ツールを入れた後です。
高い道具を導入しても、現場が使わなければ、半年で誰も触らなくなる。
これは石川の中小企業で、私が何度も見てきた光景です。
道具を渡して終わりにせず、つまずく人の隣に座り、もう一度かみ砕いて、できるまで付き合う。
「自分でできた」という手応えを、その人の中に作る。
教える経験を積み重ねてきた私は、この"定着"の伴走が得意です。
一度教えて自走できる組織を残すこと。それが私の仕事だと思っています。
私の役割は、金融機関が示す「正しさ」の"次の一歩"を作ること
DXの相談相手には、いろんな立場の方がいます。
最近うれしいのは、銀行や信用金庫が、取引先の社長にDXや生成AIを勧めてくれる時代になったことです。
融資審査や事業計画でも「デジタル化の視点」が評価される。
金融機関が社長に学びを促してくれる——これは、現場の私たちにとって本当に心強い追い風です。
実際、金融機関の社長塾のような学びの場が各地で生まれていること自体が、地域が前を向いている何よりの証拠だと思っています。
金融機関の方が示してくれる「正しい計画」や「整った数字」には、私にはない確かな強みがあります。
だからこそ、私はその続きを担いたい。
「方向性は分かった。じゃあ、今いる3人で、来週から実際にどう動くか」
「計画は立てた。じゃあ、現場が使い続けられる泥臭い形に、どう落とすか」
ここからが、現場あがりの私の出番です。
金融機関が経営者の背中を押し、私が現場で一緒に手を動かす。
役割が違うからこそ、組み合わせると強い。
私は技術者でも評論家でもなく、その"次の一歩"を一緒に踏み出す軍師でありたいんです。
肩書きではなく、「場数」で選んでください
私がここまで遠回りしてきた経歴は、たまたまではないと、今は思えます。
小さな商いの現場で何度も転んで、業種をまたいで失敗して、人に教えながら自分も学び直してきた。
その積み上げが、いま石川・富山の中小企業のDX・生成AI支援に、ちょうど噛み合っている。
私は、立てた計画を「実装」し、現場に「定着」させる——その両方に軸足を置いています。
誰かの正しさを否定するのではなく、その正しさを現場で形にする役割です。
私は学歴自慢をするつもりはありません。
私が誇れるのは、最終学歴より、最新学歴—今この瞬間も現場で学び続けている、ということだけです。
もしあなたが「DXをやりたいけど、誰に相談すればいいか分からない」と立ち止まっているなら。
立派なスライドではなく、あなたの現場の言葉で話せる相手を探しているなら。
その一歩を、一緒に踏み出させてください。
単なるツール研修ではなく、組織が自分で歩けるようになるまでの伴走を、私はやります。


