
机上の説明会では、現場は1ミリも動かない。
スマホを握らせた3時間で、49人の「無理」が「使える」に変わった。
「AIなんて、うちの仕事には関係ない」――その空気を、私はよく知っています
「介護・福祉の現場に、生成AIなんて関係ない」
「うちの職員に、そんな難しいものは無理だ」
地方で研修を続けていると、この“あきらめの空気”に必ず出会います。
人手不足は限界。採用は集まらない。ベテランは疲弊している。
それでも「AI」と聞いた瞬間、多くの組織が「うちには関係ない世界の話」として、そっと蓋を閉じてしまう。
2026年5月19日、石川県白山市。
白山市社会福祉法人連絡会様の公開講座に、私は講師として呼ばれました。
会場は白山市福祉ふれあいセンター。
集まったのは、地域の社会福祉法人で働く49名の職員のみなさんです。
正直に言えば、最初の空気は決して前のめりではありませんでした。
それが3時間後――アンケートの数字が、現場の本音を物語っていました。
数字が語る、現場の「本音」
公開講座のアンケート結果(回答28名/回答率57%)は、私自身が背筋を正す内容でした。
| 評価 | 人数 |
|---|---|
| とてもよかった | 21名 |
| よかった | 5名 |
| 普通 | 0名 |
| よくなかった | 1名 |
「とてもよかった」が78%。「よかった」と合わせると、満足度は96%。
「普通」がゼロ、というのが私には何より重い数字です。福祉の現場は、お世辞で「とてもよかった」とは書きません。手を動かして、本当に“使える”と腹落ちした人だけが、この欄に丸をつけるのです。
昨日、連絡会の委員長様から、丁寧なお礼状とアンケートを頂戴しました。そこにはこう記されていました。
「わかりやすい説明で機能を充分に理解できた」
「便利さを実感し、今後活用していきたい」との声が多く寄せられ、参加者にとっても意義深い時間となりました。
主催者が「意義深い時間だった」と言い切ってくださる。
講師にとって、これ以上の評価はありません。
なぜ「無理」が「使える」に変わったのか
種明かしは、シンプルです。
説明を聞かせる研修を、私はしません。
スマホを握らせ、その場で“自分の仕事”を解かせます。
この日に扱った演習は、すべて「今日から使えるもの」だけ。横文字も、難しい理論もゼロです。
- 面倒なメールを一瞬で:「納期を1週間延ばしてほしい」を、取引先に失礼のない文面に
- アイデアの壁打ち:白山市のカフェの新メニューを、観光客向けに一緒に考える
- SNS発信:白山の観光スポットを、英語+金沢弁でインスタ投稿文に
- 会議の準備:地域活性化会議のアジェンダ(式次第)を5分で生成
- 画像で伝える:難しい説明を、鳥獣戯画風のイラストでわかりやすく
すべて、石川・白山・金沢という“自分たちの土地”を題材にしました。
だから「遠い世界の便利な道具」ではなく、「明日の自分の仕事」として手が動く。
参加者のみなさんが、生の言葉で残してくれた感想を、そのまま紹介します。
・これまでAIを使っていなかったので、とても「目からウロコ」でした。
・簡単に使えそうで、ハードルが下がりました。
・今まであまり使っていなかったAIですが、マストなツールであることに気づきました。
・実際にスマホを触っての講演でしたので、わかりやすかったです。
・長いかなと思ったけど、あっという間でした。
“説明された”のではなく、“自分でできた”。
この差が、満足度96%の正体です。
私が一番うれしかった、たった一行
たくさんの感想の中で、私が思わず手を止めた一行があります。
これなら、AIに使われるのではなく、使いこなせそうと思いました。
私が掲げている旗は、ずっと一つです。
「AIに使われるな、AIを使い倒せ」。
その言葉を、私が一度も口にしていないのに、参加者の方が“自分の言葉”として書いてくださった。
研修が本当に届いた瞬間でした。
そしてもう一つ、経営者の方にこそ届けたい一行があります。
今回の講演がなければ、AIの重要性を見逃すところでした。
AIの活用を認めない会社は、成長しない!
これは私のセールストークではありません。
現場の職員さんが、自らの手で書いた本音です。
“見逃すところだった”――この差は、1年後、3年後の組織の体力に、確実に効いてきます。
これは「白山市だから」できたことではありません
ここまで読んで、こう思った方がいるかもしれません。
「石川の、白山の、特別な事例でしょう」と。
違います。
これは「業界団体・連絡会という“横のつながり”の単位で、まとめて学ぶ」という形そのものに価値があります。
一つの法人だけでは「うちには早い」と止まってしまう一歩を、仲間と一緒なら踏み出せる。だから、
- 介護・福祉の連絡会
- 商工会・商工会議所の部会
- 業種別組合、青年部、士業の研究会
石川県内のどこでも、富山・福井の北陸でも、そして全国どこでも、まったく同じ形で再現できます。
必要なのは、立派なシステムでも補助金でもありません。
スマホ1台と、半日の時間。そして「やってみよう」という、たった一人の旗振り役です。
人手不足は、待っていても解決しません。
「削れるのは無駄な時間だけ」。その時間を、現場の手で取り戻す。
それが、私が地方で泥臭く続けている地上戦です。
「うちの組織でも、あの空気を変えられるだろうか」――
そう少しでも感じていただけたなら、それが第一歩です。お気軽にご相談ください。

