
「普通ですね」と言われて、あなたはホッとしますか? それとも、悔しいですか?
「変人ですね」──ムッとした20年前の自分
20年ほど前、仕事で付き合いのあった方に、こう言われました。
「石原さんは変人ですね」
正直、ムッとしました。
変人って、褒め言葉じゃないですよね。普通に考えたら。
ただ、その方はこう続けたんです。
「変人って、"変われる人"ってことですよ」
……腑に落ちました。
その瞬間から、「変人」という言葉の意味が、私の中でひっくり返りました。
Contents
幼少期は「変わってる」が嫌だった
白状すると、子どもの頃は自分の「変わってる」部分を認めたくなかった時期がありました。
周りと違うことが気になる。浮いてる気がする。もっと「普通」になりたい。
日本という国は特に、「みんなと一緒」が安心される文化です。
出る杭は打たれる。空気を読め。和を乱すな。
だから「変わってるね」は、子どもにとっては「お前はズレている」と言われるのと同じだった。
でも今は違います。
最近では「普通ですね」と言われたら、本気で怒ります。
「変人と言われて嬉しい」人は、たった1〜2割
実はこの感覚、かなりの少数派です。
内閣府の「国民生活に関する世論調査」や、若者の自己肯定感に関するデータを見ると、日本人の「自分自身に満足している」割合は欧米に比べて明らかに低い。
「変人と言われて嬉しい」と感じる人は、厳密な統計こそないものの、体感で1割未満〜せいぜい2割程度ではないかと思います。
つまり、8割以上の人は「普通」であることに安心し、「普通」から外れることを恐れている。
この数字、あなたはどう感じますか?
VUCA時代─「普通」が最大のリスクになった
ここからが本題です。
VUCA──Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)。
……横文字を並べましたが、要するにこういうことです。
「去年の正解が、今年の不正解になる時代」。

生成AIが世の中をひっくり返し始めています。ChatGPT、Gemini、Claude──こうしたツールが登場してから、まだ3年もたっていません。
それなのに、仕事の進め方、情報の集め方、学び方、すべてが変わりつつある。
私は石川県金沢市を拠点に、企業や自治体向けにDX・生成AIの研修や講演を行っています。
これまでセミナー登壇は80回以上、職業訓練でのDX講座は500時間を超えました。
その現場で、ある共通パターンに気づきました。
変化に乗れる人と、乗れない人。
この差は、スキルや知識の差ではありません。
変わる人と変わらない人を分けるもの
80回以上の登壇を通じて、変わる人には共通点があると感じています。
1. 「自分は知らない」と素直に言える
「AI? よくわからんけど、まず触ってみるか」と言える人は強い。
逆に「うちの業界は特殊だから」「まだ早い」と言う人ほど、動かない。
2. 「変」を恐れない
周囲と違うことをやっていると、必ず言われます。
「そんなの意味あるの?」「うまくいくわけないでしょ」。
でも変わる人は、その声を気にしない。
気にしないのではなく、変わらないことの方が怖いと知っている。
3. 小さく始める
いきなり全社導入じゃなくていい。まず自分一人で試す。議事録をAIに要約させてみる。
日報をAIに下書きさせてみる。その「ちょっとした変」が、じわじわと周囲を変える。
来週、白山市で社会福祉関連のセミナーを行うのですが、参加者は40名を超える見込みです。
福祉の現場でも「このままじゃまずい」「変わらなきゃ」と感じている方がこれだけいる。
業界や立場は関係ない。変化の波は、もうすべての人の足元に来ている。
「普通」を選び続けるとどうなるか
「普通でいい」。
この言葉、一見謙虚に聞こえます。でもVUCA時代における「普通」は、「現状維持」と同義です。
そして現状維持は、ゆるやかな後退です。
周りが変わっているのに自分だけ止まっていたら、相対的に置いていかれる。
去年と同じことをやって、去年と同じ結果が出るなら、まだいい。
でも世の中が動いている以上、同じことをやっても同じ結果にはならない。
「普通ですね」は、もう褒め言葉ではありません。
「変人=変われる人」を、あなたの武器に
あの日、「変人って変われる人ですよ」と言ってくれた方のおかげで、私は「変」を武器にできるようになりました。
幼少期に嫌だった「変わってるね」が、今では最高の褒め言葉です。
あなたにも、周りと違う部分があるはずです。
「ちょっと変わった考え方をするよね」
「なんでそんなこと気にするの?」
「みんなそんなことやってないよ」
もし過去にそう言われたことがあるなら、それはあなたが変われる力を持っている証拠です。
VUCA時代。生成AIが当たり前になる時代。変化しまくりの時代。
変人じゃなきゃ、この時代の波は乗りこなせない。
「普通ですね」と言われたら、ちょっと怒ってみてください。
その怒りこそが、あなたが変わる最初の一歩になるはずです。

