
「人を大事にしているから、AIは推奨しない」—その回答に納得する人材は、もう4人に1人もいない。
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あなたの会社の「面接での一言」、フェルミ推定してみました
「うちは人を大事にする会社だから、AIの活用原則は特に設けていません」
もし2027年の採用面接で、こう答えたとしましょう。
目の前の応募者は、果たして何割が納得してくれるのか。
「そんなの、来てみないとわからないだろう」—そう思われるかもしれません。
しかし、経営判断に"勘"だけで挑む時代は終わりつつあります。
今回は、フェルミ推定という「ざっくりだけど根拠のある計算」で、この問いに数字で向き合ってみます。
フェルミ推定とは、正確なデータがなくても「桁を外さない推計」を出す思考法です。
コンサル業界の面接でよく使われますが、実は経営判断にこそ使える武器です。
計算してみる——「AI不要」に納得する人の割合
前提条件
日本の労働人口(15〜64歳)は約8,000万人。
このうち、中小企業の経営者・管理職層——つまり「面接をする側・される側」として関わる可能性が高い層を、全体の約10%、800万人と見積もります。
2027年。生成AIは「知っている」から「使っている」に変わっています。
スマホが当たり前になったように、仕事でAIを触ったことがない人のほうが少数派になる。
そういう社会です。
ステップ1:AI積極派はどれくらいいるか
2027年、業務でAIを「積極的に使いたい」と考える労働者は、全体の30%程度になると推定します。
効率重視の世代が増え、転職市場でも「AI活用できる環境かどうか」が企業選びの軸になり始めている。
ただし、管理職層に限ると、やや保守的に20%。
この20%は、「AIを使えない会社には行かない」と即座に判断する層です。
面接で「AI原則はありません」と聞いた瞬間、心のシャッターが降ります。
ステップ2:理念重視派はどれくらいいるか
一方で、「人を大事にする」「社員の成長を優先する」という価値観に共感する層も、確かに存在します。
日本の中小企業文化を考えれば、この理念重視派は管理職層の40%程度。
AIが浸透しても、「人が中心」という考え方自体は消えません。
ステップ3:「検討余地あり」で納得できるか
ここが分かれ目です。
「AIは推奨しない。ただし検討の余地はある」——この"柔軟な表現"に納得できる人は、理念重視派の中でも70%と推定します。「完全禁止」より現実的だと捉える人たちです。
残りの30%は、理念に共感しつつも「さすがに2027年でAI未検討はまずい」と感じる層。
ステップ4:最終計算
- AI積極派20%を除外(この層は「AI使えない=論外」)
- 残り80%のうち、理念重視派40% × 納得率70% = 22.4%
- さらに、面接という緊張の場での冷静な判断補正(0.8倍)をかけると——
約18〜22%。
つまり、5人に1人です。
この数字が意味すること
逆に言えば、5人中4人は「この会社、大丈夫か?」と思うということです。
「人を大事にする」という理念そのものが否定されているわけではありません。
問題は、「人を大事にする」と「AIを活用する」が二者択一だと思われていることです。
実際には、真逆です。
AIに任せられる作業をAIに渡すからこそ、人は人にしかできない仕事——判断、対話、創造——に集中できる。
「人を大事にしたい」なら、むしろAIを味方にすべきなのです。
「やらない理由」を述べている時間は、もう残っていない
セミナー登壇80回以上、職業訓練のDX講義500時間以上。
石川県の現場を回ってきて、はっきり感じることがあります。
2025年の時点で、すでに空気は変わっています。
商工会連合会の研修で「AIって何ですか?」という質問は、もうほとんど出ません。
代わりに出るのは「隣の会社はもう使っているらしいが、うちはどこから始めればいい?」という問いです。
金融機関の担当者が、融資先の社長に「AI活用の計画はありますか?」と聞く時代です。
ハローワークの求人票に「AI活用あり」と書く会社が出てきている時代です。
2027年には、この流れがさらに加速します。
「うちはまだ早い」「人を大事にしているから必要ない」——そう言い続けることは自由です。
しかし、その言葉を聞いた優秀な人材が、黙って別の会社を選ぶ。
その現実は、フェルミ推定を持ち出すまでもなく、すでに始まっています。
「人を大事にする会社」こそ、今すぐAIの方針を持つべき
AIの活用原則を作ることは、人を軽視することではありません。
「この会社は、社員の時間と能力を本気で大切にしている」という意思表示です。
面接で聞かれたとき、こう答えられる会社が選ばれます。
「うちはAI活用の方針を持っています。なぜなら、社員に雑務ではなく、本当に価値のある仕事をしてほしいからです」
この一言が言えるかどうか。
それだけで、2027年の採用市場での勝敗は変わります。
やらない理由を考える時間があるなら、その時間で最初の一歩を踏み出してください。
石川県の中小企業が、ここから変わっていく。その現場に、私は軍師として立ち会い続けます。

