
教わった人が、教えたくなる。それが生成AI研修の本当の成功指標です。
先日、職業訓練のDX講座を終えた帰り道、受講生のひとりにこう声をかけられました。
「石原さん、私……人に教えるのって、けっこう向いてるかもしれません」
正直、嬉しかったです。
こういう言葉が、最近ちらほら出てくるようになりました。
金沢市の生成AIセミナー、企業向けのDX研修、そして職業訓練。
場所は違えど、「自分も教えてみたい」と言い出す受講生が、確実に増えています。
私が登壇している現場で、何が起きているのか。
今日はその話を、経営者の皆さんに少しだけお裾分けさせてください。
Contents
「一番スキルアップできるのは、人に教えることですよ」
私は講義の冒頭で、必ず受講生にこう伝えています。
「ここで一番スキルアップできるのは、誰だと思いますか? ——人に教える人ですよ」
最初はキョトンとされます。「いや、教わりに来たんですけど」という顔をされる方もいます。
でも、講義が進むにつれて、クラスの中でつまずいている人が必ず出てきます。ChatGPTのプロンプトが思うように書けない、Geminiの出力が意図と違う、Notebook LMの使い方がよくわからない。
そういうとき、私はあえて全員に教えません。
代わりに、先に理解できた受講生に、そっと横についてもらうのです。
すると、何が起こるか。
教えた本人が、一番ニコニコしているんです。
「自分、教えるのも好きかも」という小さな発見
ある50代の女性受講生が、講義のあとにこう言いました。
「Excelもパソコンも苦手で、ここに来るのが怖かったんです。でも、隣の人にプロンプト教えてあげたら、『すごい!助かった!』って言ってもらえて……。私、こんな気持ちになったの、何年ぶりだろうって」
別の40代の男性は、こう言いました。
「会社では教える側じゃなくて、ずっと指示される側だったんですよ。でも、ここで誰かに教えると、自分の中で整理されるんです。これ、職場でもやってみます」
これが、生成AI研修の本当の成果だと、私は思っています。
セミナーの成功指標は、満足度アンケートだけじゃない
セミナーや研修の成功を測る指標は、世の中にたくさんあります。
集客数、参加率、満足度スコア、商談化率——どれも大事な数字です。
でも、企業登壇70回以上、職業訓練DX講座も今期で5期目を数える中で、私が一番大切にしている指標は、これです。
「受講生が、自分も誰かに教えたいと言い出すかどうか」
これは、満足度アンケートには出てきません。
でも、ここに到達した研修は、必ず現場で動き始めます。
なぜなら、教えたくなった人は、自分の職場に帰っても、隣の人にそっと教えるからです。
研修の効果が、研修室の外で勝手に広がっていく。
これこそが、地方の中小企業のDX・生成AI活用において、本当に欲しい状態じゃないでしょうか。
経営者・人事担当者の皆さんへ——研修選びの目線を一段上げてほしい
石川県、富山県の経営者・人事担当者の方々と話していると、よくこんな相談を受けます。
「生成AI研修を入れたけど、結局、現場で誰も使ってないんです」
「DX研修の満足度は高かったのに、業務が変わらない」
原因はシンプルです。
研修が「受け身で終わる設計」になっているからです。
講師が一方的に話して、受講生が「へぇ、すごいですね」で終わる研修は、その瞬間の満足度は高くても、現場には何も残りません。
一方で、受講生同士が教え合う構造を組み込んだ研修は、終わった後も社内で広がり続けます。
教えた人が、また誰かに教える。
その連鎖こそが、組織のDXを地上戦で進める唯一の方法だと、私は現場で確信しています。
「教えたくなる現場」を、石川・富山からもっと増やしたい
地方には、「自分なんて」「私には無理」と思い込んでいる人が、本当にたくさんいます。
でも、生成AIという新しい武器を手にしたとき、その思い込みが一気にひっくり返る瞬間があります。
「あれ、私、できるかも」
「私、教えられるかも」
この瞬間を増やしていくこと。
それが、地方からでも世界と戦える「自立した個と組織」を育てる、一番の近道だと思っています。
AIに使われるな、AIを使い倒せ。
そして、使い倒した人が、隣の人に教えてあげる。
その小さな連鎖が、石川県・金沢市・富山県の中小企業を、確実に変えていきます。

