将棋の3手先を実生活で読む|面接の一言が石川県DXを動かす

「駒の動かし方」を知っているだけでは、未来は掴めない。3手先を読む者だけが、仕掛ける側に回る。

皆さんは、将棋を指したことがありますか

私は、駒の動かし方を知っている程度です。

多様な戦術があり、日本の伝統として今も430万人を超える競技人口を抱える遊び。
藤井聡太さんの活躍で再び注目を浴びましたが、レジャー白書2025によれば、この数字は過去最低を更新しています。

ここで、ひとつ立ち止まって考えます。

将棋の本質は「2手3手先を読む」ことにあります。
では、その思考を日常生活や経営判断に落とし込んでいる人は、どれほどいるのでしょうか。

将棋人口のフェルミ推定

レジャー白書2025、将棋ウォーズの参加データ、Facebookコミュニティの規模から、ざっくり推定してみました。

カテゴリ人数割合
総参加人口(年に1回以上)430万人日本人口の約3.4%
継続して将棋を楽しむ人約130万人参加者の約30%
将棋の思考を人生・経営に活用する人約3万人熱心ファンの約10%

将棋を「指す」人は430万人。
しかし、その思考を人生やビジネス戦略に応用している人は、わずか3万人

日本人口の、0.02%です。

私は、1つや2つ先を打てている気がします

正直に書きます。

私はDX・生成AIの講師として、石川県で職業訓練DX講座を5期担当し、登壇時間は累計500時間を超えました。個別セミナー登壇も70回以上。ISICOや石川県商工会連合会にも、公的専門家として登録いただいています。

ただ、それは「過去の実績」です。

私が今、じわじわと、しかし確実に仕込んでいる「3手先」があります。

それは、私の講座・セミナーに参加した受講生が、転職や就職の面接で、こう尋ねることです。

面接室の、ある一コマ

――金沢市内、中小企業の会議室。

面接官「それでは、志望動機をお聞かせください」

受講生「はい。御社の事業に強く惹かれています。ひとつだけ、確認させてください。御社では、生成AIを業務で活用していいですよね?」

面接官「……え?」

受講生「業務効率化のために、ChatGPTやClaudeを使えるかどうか、という意味です」

面接官「あ、いや、その……うちはまだ、そういう方針が決まっていなくてですね……」

受講生「そうですか。ちなみに、今後の導入予定は?」

面接官「(……この質問、答えられない)えっと、検討中です」

受講生「承知しました。検討の時期の目安は、いつ頃でしょうか」

面接官「……」

この一言が、何を動かすか

受講生にとっては、単なる確認の質問です。

しかし、面接官――つまり経営者や人事担当者にとっては、違います。

「この質問にまともに答えられない会社は、選ばれない」という現実を、受け取った瞬間に突きつけられます。

これが、1人や2人ではなく、何十人、何百人と続けばどうなるか

  • 企業は慌てて生成AI導入の検討を始めます
  • 経営者は「DX推進の担当者」を急いで探し始めます
  • 小規模事業主も「うちもやらないと、採用で勝てない」と気づきます

求職者が企業を選ぶ時代。
その選別基準に「生成AI活用の可否」が入り込むことで、石川県内の企業のDXは、静かに、しかし確実に前進します

3万人のうちの、1人として描いている絵

私が見据えているビジョンは、ひとつです。

石川県全体のAIリテラシーを、全国1位にする。

そのためには、講師が壇上で「生成AIは便利ですよ」と語るだけでは足りません。
受講生が地域の企業と接する瞬間に、質問という形で波紋を起こす設計が必要です。

これは、将棋の思考

「1手で盤面を変えるのではなく、3手後に相手が動かざるを得ない手を打つ」

を、自分の仕事に落とし込んだ結果です。

経営者・人事担当者・小規模事業主の皆さまへ

いま、この記事を読んでいるあなたの会社は、次の面接でこう問われたとき、どう答えますか。

「御社では、生成AIを業務で活用していいですよね?」

即答できますか。

即答できない場合、その採用面接は静かに失敗しています
優秀な求職者は、答えられない企業を選びません。

  • 「検討中」は、もう通用しません
  • 「方針が決まっていない」は、遅すぎます
  • 「まだうちは……」は、そのまま採用力の格差になります

将棋で言うなら、相手はすでに、次の駒を進めている局面です。

おわりに――3手先を読む者が、未来を設計する

将棋を指す人は、430万人います。
将棋の思考を人生に活用する人は、3万人しかいません。

あなたは、どちらですか。

石川県から、金沢市から、富山県から。
地方のリアルを動かすのは、派手な戦略ではなく、3手先を見据えた、ひとつの問いかけです。

私はその問いかけを、受講生の口を通じて、県全体に広げています。

面接の一言が、企業を動かし、地域を動かす。
それが、私が描いている「3手先」です。

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