
「発注する側が何も知らない」——それが、地方中小企業のDXで一番カネを溶かす原因です。
その見積もり、誰が「おかしい」と言えますか?
「社長、このシステム開発、500万円の見積もりが来てるんですけど…」
こう報告を受けたとき、あなたの会社には「ちょっと待て、それ高すぎないか?」と言える人間がいるでしょうか。
正直に言います。私が職業訓練DX講座の講師として5期、企業登壇70回以上の現場を見てきた中で、一番もったいないと感じるのは「IT人材がいないこと」ではありません。
「ITのことが少しでもわかる人間が社内に一人もいないこと」です。
ベンダーさんが悪いわけではありません。
ただ、発注する側が「何もわからない」状態では、見積もりが妥当かどうかの判断がつかない。
要件を伝えるにも、言語化できない。結果、数百万円かけたシステムが「思っていたのと違う」で終わる。
石川県の中小企業で、何度もこの光景を見てきました。
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なぜ私はAppSheetのワークショップを職業訓練に入れているのか
私の職業訓練DX講座では、Google AppSheetを実際に触ってもらうワークショップの時間を設けています。
「ノーコードツールの使い方を教えるため?」
もちろんそれもあります。でも、それは表面的な理由にすぎません。
本当の狙いは、「ノーコードでここまでできる」という肌感覚を持った人材を、企業の中に送り出すこと」です。
実際にワークショップでやってもらうと、受講生の皆さんは驚きます。
「え、これプログラミングなしでできるんですか?」
「スプレッドシートからアプリって、30分でできるんですか?」
この「驚き」こそが財産なのです。
「ノーコードでできる範囲」を知っている人が社内にいる破壊力
たとえば、こんな場面を想像してみてください。
外部のシステム会社から「在庫管理アプリの開発、見積もり800万円です」と提案が来た。
普通なら「IT のことはよくわからないし、プロが言うならそうなんだろう」で通してしまう。
でも、もし社内に一人、職業訓練でAppSheetを触ったことがある人間がいたら?
「社長、これ、AppSheetで似たようなもの作れますよ。試しに私がプロトタイプ作ってみましょうか?」
この一言が出るかどうかで、会社の未来が変わります。
実際に、ノーコードツールを活用して1,000万円超の見積もり案件を10分の1以下のコストで実現した事例もあります。業務工数を84%改善し、年間48,000分以上の削減を達成した企業もある。
大事なのは、その社員が「自分で全部作れるスーパーエンジニア」である必要はないということです。
「ノーコードでどこまでできるか」の相場観を持っているだけで、見積もりの検証役になれる。
これが、30名規模の会社にとってどれほど大きいか。
ベンダーロックインという静かな罠
もう一つ、私が現場で見てきた怖い話をします。
外部に丸投げでシステムを作ると、保守も運用もそのベンダーに依存することになります。
いわゆる「ベンダーロックイン」です。
「ちょっとここ変えたいんですけど」——改修費用30万円。
「この項目を一つ追加したいんですけど」——追加開発で50万円。
「もう御社のシステム、他社では引き継げません」——完全に人質です。
石川県の従業員30名前後の会社で、この状態に陥っているところを何社も見てきました。
毎年、保守費用だけで数十万円が消えていく。でも、乗り換えもできない。
AppSheetのようなノーコードツールを社内で扱える人材がいれば、この構造から抜け出せます。
Google Workspaceユーザーなら無料枠もある。自分たちで作り、自分たちで直せる。
ベンダーに人質を取られない経営ができるのです。
「目利き」を育てるのが、本当のDX研修
私がNote投稿を続けて2年3か月、スキをいただいた回数は5,000を超えました。
それだけ多くの方が「現場のリアル」を求めているということだと受け止めています。
職業訓練でAppSheetのワークショップをやるのは、「アプリ開発者」を育てたいからではありません。
外部に発注するとき、「これは本当に500万円かかるのか?」と問える目利きを育てたいのです。
ノーコードでどこまでできるか。どのくらいの時間と労力がかかるか。
それを肌で知っている人間が社内にいるだけで、無駄な外注費は激減します。
ベンダーとの交渉力も格段に上がります。要件のずれも起きにくくなります。
これは、東京の大企業の話ではありません。石川県の、金沢市の、従業員30名の会社の話です。
人手不足で採用も厳しい中、今いる社員が「ITの目利き」になること。
それが、地方の中小企業にとって最もコストパフォーマンスの高いDX投資だと、私は確信しています。
あなたの会社にも「一人の目利き」を
「うちにはITがわかる人間がいない」と嘆く前に、一人でいいから「ノーコードを触ったことがある人間」を作ってください。
その一人が、500万円の無駄遣いを止めるかもしれない。
その一人が、ベンダーロックインから会社を救うかもしれない。
その一人が、現場の「こうなったらいいのに」を形にするかもしれない。
DXは、最新ツールの導入ではありません。「わかる人間」が社内にいること。
それだけで、会社の選択肢は何倍にも広がります。
私と一緒に、あなたの会社の「目利き」を育てませんか。
単なるITツール研修ではなく、組織を守り、変えていく伴走支援を提供しています。
