
DXの正体は「最新ツール」ではない。形骸化した「役職呼称」を捨て、組織の風通しを1ミリ変える“泥臭い覚悟”のことである。
「石原さん、うちはITに詳しい奴もいないし、DXなんてまだ早いよ」
石川県内の経営相談の現場で、私は何度もこの言葉を耳にしてきました。
しかし、断言します。御社がDXに進めないのは、社員のITリテラシーが低いからでも、予算がないからでもありません。
「DXという言葉を、要領の悪い中学生が溜め込んだ夏休みの宿題のように捉えている」こと自体が、最大のブレーキなのです。
私はアメリカに5年住んでいましたが、あちらで「DX」なんて小難しい言葉を日常的に使う経営者には一人も会いませんでした。
なぜなら、彼らにとって「良さそうなことは即やり、ダメなら即やめる」という改善のサイクルは、呼吸をするのと同じくらい当たり前のことだったからです。
なぜ「肩書き」がDXを殺すのか
日本の、特に地方の組織には「役職で呼び合う」という強固な壁があります。
「社長」「専務」「部長」……。
この呼び方一つが、現場の「これ、おかしくないですか?」という小さな改善の芽を摘み取っています。
想像してみてください。
最新の生成AIを導入しても、現場の若手が「部長、この使い方のほうが効率的ですよ」と気兼ねなく言えない組織で、果たして変革が起きるでしょうか?
私がこれまで石川県内を中心に70回以上のセミナーを行い、石川県商工会連合会の専門家として現場を見てきた結論は一つです。
DXの第一歩は、マウスを握る前、キーボードを叩く前に「呼び方」を変えることから始まります。
役職を捨て、スピードを手に入れる
「○○部長」ではなく「○○さん」と呼ぶ。
あるいは思い切ってファーストネームで呼んでみる。
たったこれだけで、組織には劇的な変化が起きます。
- 心理的安全性による「衆知集約」: ヒエラルキーが消え、現場の泥臭い課題がダイレクトに経営層へ届くようになります。
- 意思決定の爆速化: 「お伺い」という無駄なプロセスが消え、アメリカの企業のように「まずやってみる」が可能になります。
さらに言えば、ファーストネームで呼び合う文化は、結婚による名字変更などの現代的な課題にも自然に対応できる、極めて合理的な戦略です。
【結論】
生成AIという強力な武器は、フラットな組織でこそ最大の威力を発揮します。
ツールを入れるのがDXではありません。
「AIを使い倒して、優秀な社員が自走する組織を作る」。
その土壌を作るのが、私の役目です。
綺麗な横文字のコンサルティングはもういりません。
石川の地で、共に汗をかき、泥臭く組織をアップデートしていきませんか?
「宿題」を片付けるのは、今です。
