
「困っています、助けてください」だけでは、何も動かない。
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知事選の熱気、その先に何を残すか
先日の石川県知事選、皆さんも注目されていたのではないでしょうか。
現職の知事への感謝。新しい知事への期待。選挙が終わった直後というのは、県民の関心が自治体に向く、貴重なタイミングです。
そしてこれから、石川県に限らず全国の自治体で増えていくであろうものがあります。
膝を突き合わせた座談会。住民との意見交換会。
新しいリーダーが「皆さんの声を聞きたい」と言う。市民が集まる。そこまではいい。
でも、正直に言います。
私はこの「座談会」が、ただの その場かぎりの吐き出し で終わってしまう未来が怖いのです。
「陳情」という言葉が生む上下関係
そもそも「陳情」って何でしょうか。
辞書的に言えば、「事情を述べて、善処を頼むこと」。つまり、お願い です。
お願いする側と、される側。ここには最初から 上下関係 が生まれています。
「物価が高くて生活が苦しいです」
「補助金を出してください」
「何とかしてください」。
気持ちは痛いほどわかります。
私だって石川県民です。
物価高は身に染みています。
でも、言われた側の立場に立ってみてください。
「……それはわかります。できることはやります」
こう返すしかないんです。
座談会で苦しさを吐露する。行政側は「承りました」と言う。
でも具体的に何が動くのか、誰にもわからないまま終わる。
これが「言いっぱなし」の正体です。
パブリックコメントに投稿してみて気づいたこと
実は先日、私は金沢市のパブリックコメントに投稿しました。
パブリックコメントというのは、自治体の計画や条例に対して市民が意見を出せる制度です。
投稿すると、自治体は内容を検討し、その結果を公表する義務があります。
つまり、座談会と違って「言いっぱなし」にならない仕組みなんです。
ただし、パブリックコメントには限界もあります。
その場で顔を見て話すわけではないので、座談会のような「直接伝える熱量」はない。
逆に言えば、座談会にはパブリックコメントにない強みがある。
膝を突き合わせて、直接、提案できる。
せっかくその場があるのに、「苦しいです」「助けてください」で終わらせるのは、あまりにもったいない。
「提案なんて作れないよ」への答え
こう言うと、必ずこんな声が返ってきます。
「いや、提案書なんて作ったことないし」
「そんなの行政の仕事でしょ」
「素人に何ができるの」
わかります。私も最初はそう思っていました。
でも、今は 生成AI があります。
私は職業訓練のDX講座で480時間以上、受講生と一緒に生成AIを使ってきました。
企業や行政への登壇も70回を超えています。
その現場で確信していることがあります。
生成AIは「プロじゃない人」の味方になれる。
難しい文章が書けなくても、自分の困りごとと「自分にできること」を入力すれば、自治体に届く形の提案書に変換してくれる。
そこで、一つプロンプトを作りました。
【プロンプト】あなたの困りごとを自治体への提案書に変える
以下のプロンプトを、ChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIにコピー&ペーストして使ってください。
あなたは、市民が地方自治体に対して建設的な提案を行うための「提案書作成サポーター」です。
以下の入力情報をもとに、自治体の担当者が前向きに検討できる提案書を作成してください。
## 入力情報(あなたの言葉で書いてください)
### 1. あなたの困りごと・課題
- 今、何に困っていますか?(例:子どもの送迎と仕事の両立が難しい)
### 2. その課題の背景
- なぜその問題が起きていると思いますか?
- 周りにも同じように困っている人はいますか?
### 3. あなたが考える解決のアイデア(ざっくりでOK)
- 「こうなったらいいのに」を自由に書いてください
### 4. あなた自身が貢献できること
- この課題の解決に向けて、あなた自身ができることは何ですか?
- (例:地域の見守り活動に参加できる、SNSで情報発信できる、会場の準備を手伝える、専門スキルを活かせる、など)
- ※「お金をください」だけでなく「自分は何ができるか」を考えることが、対等な提案の第一歩です
### 5. 届けたい自治体・部署(わかる範囲で)
- (例:金沢市 子育て支援課)
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## 提案書の出力ルール
1. **件名**:課題と提案の要点が伝わる簡潔なタイトル
2. **現状と課題**:入力情報をもとに、具体的な課題を整理(感情論ではなく事実ベース)
3. **提案内容**:実現可能性を意識した具体的な提案(段階的な実施案があれば含める)
4. **市民側の貢献・協力**:提案者自身が何をできるかを明記(※これが最重要)
5. **期待される効果**:提案が実現した場合のメリット(市民側・行政側の両方)
6. **参考情報**:他の自治体の類似事例があれば提示
※文体は丁寧語。感情的な表現は避け、行政担当者が庁内で共有しやすい文書にすること。
※「要望」ではなく「提案」として、市民と行政が対等なパートナーであるトーンで作成すること。
このプロンプトで一番大事なのは「4番」
お気づきでしょうか。
このプロンプトの肝は、「4. あなた自身が貢献できること」 です。
「困っているから助けて」は陳情。
「困っている。こうしたらいいと思う。そして自分はこれができる」が提案。
この違いは、たった一つ。対等かどうか です。
陳情は上下関係。提案は対等な関係。
自治体の職員も人間です。「苦しいから何とかしろ」と言われ続けるのと、「一緒に解決しませんか?
私はこれができます」と言われるのでは、動き方がまったく変わります。
座談会を「その場かぎり」にするか「政策の種」にするか
これから全国で、新しい首長のもとで座談会や意見交換会が増えるでしょう。
その場を、ただ不満を伝えて終わる「その場かぎり」にしてしまうか。
それとも、しっかり準備して、実行性のある提案を持ち込む「政策の種まき」にするか。
それは、私たち市民の心がけ次第です。
生成AIは、その心がけを形にする道具として、今すぐ使えます。
難しい書類の書き方を勉強する必要はありません。
あなたの「困った」と「できること」を、AIが自治体に届く言葉に変えてくれます。
座談会の前に、30分だけ時間をとって、このプロンプトを試してみてください。
あなたの声が「陳情」から「提案」に変わった瞬間、自治体との関係も変わります。

