
半数の社員が、今日も心を閉じて出勤している。それでも、あなたは気づかないふりをしますか?
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あなたの会社の「15人」に、もう気づいていますか?
突然ですが、質問です。
定時になる5分前、すでにパソコンを閉じてコートに手を伸ばしている社員はいませんか?
会議で発言を求めても「特にないです」と即答する人は?
「最低限の仕事はきっちりこなすが、それ以上は絶対やらない」という、ある意味プロフェッショナルな空気をまとった社員は?
おそらく、「ああ、あの子のことかな」と顔が浮かんだ方もいるのではないでしょうか。
実はこれ、「静かな退職(Quiet Quitting)」 と呼ばれる状態です。
離職届を出すわけでも、不満をぶつけるわけでもない。
ただ静かに、仕事への情熱と当事者意識を手放してしまっている状態のことです。
「うちの会社にも、1人か2人はいるかもな」
正直、私もそう思っていました。
ところが、数字を計算してみて、思わず椅子から立ち上がりそうになりました。
【第1章】フェルミ推定が暴いた「経営者の見たくない現実」
フェルミ推定をご存じですか?
正確なデータがなくても、論理的な仮定を重ねて「だいたいこのくらい」を導き出す思考法です。
日本企業を対象にした複数の調査によると、「静かな退職」状態にある社員の割合は40〜50%という数字が出ています。
中小企業の20代〜50代正社員に絞ったデータでは、約44.5%が該当するという報告もあります。
では、従業員30名の会社で計算してみましょう。
- 30人 × 40% = 12人
- 30人 × 50% = 15人
つまり、今あなたの社員が30人いるなら、そのうち12〜15人が「心はもう半分、会社を出ている」状態かもしれないのです。
1人でも2人でもなく、半数です。
「そんなまさか」と感じますか?
でも、だからこそ「静かな」退職なのです。
大声で不満を言わない。目立って仕事をサボるわけでもない。
ただ淡々と最低ラインをこなし、定時に帰る。そしてエネルギーは副業や趣味に注いでいる。
あなたが「普通に働いている社員」だと思っていたその人が、すでに組織から心を引き離している可能性がある。
これが静かな退職の本当の恐ろしさです。
【第2章】社内運動会もフリードリンクも、「絆創膏」でしかない
「じゃあ、会社をもっと楽しくしよう」と考える経営者は多い。
社内イベントを充実させる、休憩室をリニューアルする、コーヒーを無料にする……。
その発想自体は悪くありません。ただ、私は石川県内外でこれまで70回以上の登壇を経験してきた中で、ある確信を持っています。
仕事への虚無感は、環境整備では治らない。
静かな退職状態にある社員が手放したのは、「休憩室の快適さ」ではありません。
「自分がここで頑張る理由」 です。
「どうせ提案しても通らない」
「真面目にやっても査定が変わらない」
「この仕事、AIに全部取られるんじゃないか」
そういった諦め・不安・無力感が積み重なった結果が、静かな退職です。
フリードリンクで癒せる傷ではないのです。
昭和・平成の「仲良くすれば頑張れる時代」は終わりました。
今の働き手が本当に求めているのは、「自分が成長できている実感」と「仕事を通じた自己効力感」 です。
【第3章】特効薬の名前は「生成AIワークショップ」—ただしITの話ではない
「生成AIで解決?スマホの使い方でも教えるんですか?」
そう思った方、一旦待ってください。
私がお伝えしたいのは、ツールの便利さではありません。
私の研修では、こんな問いかけをします。
あなたが今、仕事で一番しんどいことは何ですか?AIに相談してみましょう
ChatGPTやClaudeといった生成AIに、自分の悩みをぶつけてみる。
すると何が起きるか。「あ、私の問題、こういう角度から考えられるのか」という発見と、小さな成功体験が積み重なっていくのです。
ある研修では、こんな受講者がいました。「自分の仕事ぶりをどう上司に評価してもらえばいいかわからない」という20代の女性です。
私は彼女に、AIを使って自分の業務実績と貢献を整理する「セルフ査定シート」を作らせました。
最初は半信半疑だった彼女が、「これ、上司に見せていいですか?」と目を輝かせて聞いてきた瞬間を、私は今でも鮮明に覚えています。
仕事への諦めは、「自分は何もできない」という思い込みから来ていることが多い。
生成AIは、その思い込みを一発で壊す道具になれます。
「どうせ変わらない」と思っていた社員が、「これ、自分でできるじゃないか」という手応えを持つ。それが組織の空気を変える最初の一手です。
私の研修には、単なるAIの使い方講座ではなく、こんな要素が含まれています。
静かな退職のメカニズムの解説——受講者自身が「あ、自分のことだ」と気づく鏡を作る
AIを壁打ち相手にした業務課題の深掘り——「できることが増える」体験を積ませる
待遇・評価への不満に対するAI活用術——不満を言うだけでなく、自分で変える準備をする
国内外の現場での失敗談と一次情報の共有——「きれいごとなし」のリアルな話で信頼を作る
カナダや米国・ロサンゼルスでの就業経験、日本でのゲストハウス運営——私が歩いてきた泥臭い現場の話が、受講者の心の扉を開く鍵になることを、70回の登壇を通じて実感しています。
【結論】人生の半分を占める仕事を、諦めさせたままにしないでほしい
最後に、静かな退職状態にある社員たちのことを考えてください。
彼ら・彼女らも、本当は「このままでいい」とは思っていないはずです。
朝、重い足取りで会社へ向かいながら、「どうしてこうなったんだろう」と思っている人が、あなたの会社にも必ずいます。
人生のうち、仕事に費やす時間は約8万時間とも言われています。
その時間を「とりあえずやり過ごす時間」にするのか、「自分が成長していく時間」にするのか
その分岐点に、経営者であるあなたの一手が大きく影響するのです。
私の伴走支援は、「AIの使い方を教えて終わり」ではありません。
組織の空気を変え、社員が自ら考えて動けるようになるまで、一緒に汗をかきます。
石川から、地方企業の「自立」を一緒につくりましょう。
