
「声を届ける」から「解決策を作る」へ。市民とAIが、地域を変える。
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選挙のたびに聞こえる「声を聴きたい」という言葉の、その先に何があるか
選挙が近づくと、決まってこんな言葉を耳にします。
「県民の声を聴きたい」
「市民と対話する集会を開きます」
一市民として、自分の思いを政治に届けたい。
その気持ちは本物だと思いますし、大切にしたい意識です。
ただ、正直に問いかけさせてください。
あの集会、その後どうなりましたか?
要望を出した。拍手があった。
でも、半年後に何かが変わっていたでしょうか。
「あれをしてほしい、これをしてほしい」とボールを投げ、あとは行政が受け取るのを待つ。
その構造が続く限り、スピード感も実効性も生まれにくい。
そう感じるのは、私だけではないはずです。
だとしたら、集会のあり方を変えてみる必要があるのではないでしょうか。
今回は、石川県内でAI・DXの現場ワークショップを2年間で70回以上続けてきた私から、一つの提言をさせてください。
【第1章】「声を聴く集会」を「解決策を作るワークショップ」に変える
私が提案したいのは、シンプルなアイデアです。
県内各地で開かれる「住民との対話集会」を、生成AIを活用した小規模・対面の課題解決ワークショップに置き換えてみる、というものです。
ワークショップの冒頭で、こう宣言します。
今日は生成AIの練習として、この地域の困りごとを解決する案を作ります。
そして、それを行政に提出できる企画書に仕上げましょう
これだけで、場の空気が変わります。
「聴いてもらう場」が、「自分たちが作る場」に変わる瞬間です。
私はこれまで、年齢も、性別も、ITスキルも全く異なる方々を対象に、ほぼこの形式でワークショップを運営してきました。
机上の空論ではなく、金沢市内の中小企業、商工会連合会、医療・福祉の現場で積み重ねてきた経験からの提言です。
【第2章】「おねだり体質」を変える、当事者意識の醸成
このワークショップの本当の肝は、AIの使い方を学ぶことではありません。
「地域の課題を、自分ごととして捉える」習慣を作ることです。
AIを使いながら地域の困りごとを言語化していくと、参加者の中で自然にこんな気づきが生まれます。
「この問題は、町内のボランティアで動けばできそうだな」
「ここは法律が絡むから、行政に動いてもらわないといけない」
何でも行政に丸投げするのではなく、自分たちでできることとできないことを仕分けする。
そのプロセス自体が、市民としての力を育てます。
住民が「お客様」から「プレイヤー」に変わる——
それが、このワークショップが目指す本質的な変化です。
【第3章】NotebookLMが「提案書づくり」の壁を壊す
「素人が政策の提案書を書くなんて、無理では?」
そう思われる方もいるかもしれません。
ここで登場するのが、生成AI(NotebookLMなど)です。
地域の現状データ、ワークショップで出た意見メモ、参加者の声——
これらを読み込ませるだけで、プロが書いたような説得力のある提案書が、「瞬殺」で完成します。
これは比喩ではありません。
私がこれまで指導してきた現場で、スマホしか使ったことのない60代の方が、初めてのワークショップ参加で提案書のたたき台を作り上げた場面を、私は何度も目撃してきました。
「AIは難しい」という壁は、「AIを使ったら地域の問題が解決できるかもしれない」という動機の前に、あっさり崩れます。
首長の皆さん、候補者の皆さん、一度この熱気を体感してみませんか
「声を聴く」だけでなく、実効性とスピード感を持って、地域のAIリテラシーも同時に高める。
それが、私が提案する「課題解決ワークショップ」の姿です。
一石三鳥、と言っても言い過ぎではないと思っています。
欲を言えば、ワークショップの場に首長、あるいは候補者の方が一度でも参加していただけると、もっといいなと思っています。
住民がAIを使って課題解決のプランを練り上げていく、あの熱気を——ぜひ、ご自身の目で見てほしいのです。
私は、いつでもファシリテーターを務める準備ができています。
石川県のどこかで、そんな場が生まれることを、楽しみにしています。
