【石川発・提言】「AI研修難民」を救え。働く大人のための日本版コミュニティカレッジを今こそ創れ

高校無償化の前に、親のリスキリングを。

学ぶ権利は、「失業者」だけのものではない。

皆さんこんにちは。

石川県金沢市を拠点に、DX・生成AI研修を行っている石原です。

職業訓練校でDX講師を務めて、気づけば1年半が経ちました。

そしてついに、5期目がスタートします。

毎回、教室の扉を開けるたびに思うことがあります。

20代から50代まで。男性も女性も。

前職が製造業の人も、接客業の人も。

まったく違う背景を持つ大人たちが、同じ教室で3ヶ月以上、「現場で明日から使えるスキル」を一緒に学んでいる。

この光景は、何度見ても感動します。

年齢も職歴もバラバラだからこそ、互いの気づきが化学反応を起こす。

「その使い方、うちの現場でも応用できる」という声が飛び交う、あの熱気。

これだけ素晴らしい仕組みが、もうすでにある。

だとすれば――もっと発展させられないでしょうか。

【第1章】「研修格差」という、見えない壁

まず現実を直視しましょう。

職業訓練は、「仕事を辞めて求職中の方」を対象とした制度です。

これは当然のことで、制度設計として正しい。

異論はありません。

しかし今、DXという波は「在職中の人」にも容赦なく押し寄せています。

従業員100名以上の中堅・大企業には、人事部があり、年間研修予算があり、外部講師を呼んでどんどんスキルアップを進める仕組みがあります。

私自身、2年間で70回以上の登壇経験の中で、そういった企業の「研修文化」の充実ぶりを目の当たりにしてきました。

では、小規模事業者で働く従業員は?

パートを掛け持ちしながら生活を支えている方は?

学ぶ場がない。時間もない。お金もない。

会社が研修をしてくれないなら自分で学べばいい、という声もあるでしょう。

でも、それは言うのは簡単でも、実行するのは相当に難しい。

独学には孤独感があり、続かない。良質な教材にたどり着けない。

何より、「学びをともにする仲間」がいない。

私はこの状況を、「研修難民」 と呼びたいと思います。

制度の外側に、静かに置き去りにされた層。

彼ら・彼女らに、今の日本の学び直し支援は届いていません。

【第2章】提案「日本版コミュニティカレッジ」という発想

ここで一つの問いを立てたいと思います。

高校の無償化より先に、その親のリスキリングを支援すべきではないか。

これは高校教育を否定したいわけでは、まったくありません。

ただ、子どもへの投資と同じかそれ以上の熱量で、今まさに現役で働いている大人への教育投資を議論すべき時期に来ているのではないか、ということです。

私がモデルとして注目しているのは、アメリカのコミュニティカレッジと、かつての日本の夜間高校です。

アメリカのコミュニティカレッジは、失業者だけでなく、働きながら学ぶ人、子育て中の親、定年後のシニアも通える開かれた場です。

授業料は低く、夕方・夜間・週末のクラスが充実している。

地域の産業ニーズに直結したカリキュラムを組む柔軟性もある。

これを日本に、石川県に、つくれないでしょうか。

具体的には、こういうイメージです。

小規模事業者の社員や非正規雇用の方が、仕事終わりの夕方や週末に集まれる場所。

生成AI・ITツール・業務効率化を、座学でなく実践形式で学べるプログラム。

年齢も職種も違う大人が交わり、「うちの職場でも使えそう」という横のつながりが生まれる場所。

大げさに聞こえるかもしれませんが、実はインフラはすでにあるのです。

施設(ハコ)は公民館・産業支援センター・職業訓練施設として存在しています。

カリキュラムを設計できる講師も、地域に育ちつつあります。

足りないのは一つ。「対象者の枠を広げる」という制度と意思決定だけです。

なお、ポリテクセンターをはじめとする在職者向けの公的訓練も既に存在していることは承知しています。

ただ、その多くは期間が短く、専門性が高い内容に偏りがちです。

私が提唱したいのは、もっとハードルが低く、3ヶ月以上かけてコミュニティを育てられる「場」です。

技術を教える以上に、「共に学ぶ文化」を根付かせる場が地方には必要だと考えています。

【第3章】「バラマキ」より「場」を。持続可能な学びのために

給付金で個人がオンライン教材を購入する補助策――これ自体は否定しません。

ただ、そこに留まっていては限界があります。

一時的な補助金でスキルを買っても、学び続けるコミュニティがなければ定着しない。

孤独な学習は、続かないからです。

私が職業訓練の現場で感じる最大の価値は、実はツールの習得そのものではありません。

「違う職種の人がどう悩んでいるか」

「自分の業界の常識が、外から見ると非常識だった」

という、越境による気づきです。

これは、リアルに集まる「場」でしか起きない。

石川県には、製造業・観光業・農業・福祉業など多様な産業があります。

それぞれの現場で孤独に戦っている「研修難民」たちが、同じ教室で出会ったとき、何が生まれるか。

想像するだけで、わくわくしませんか。

地方を強くするのは、大企業の誘致だけではない。地域の人が、地域で学び、地域に還元する循環です。

【結論】石川県から、「大人のための開かれた学校」を

私はこの提言を、行政への批判として書いているのではありません。

1年半、職業訓練の教壇に立ち続けて確信したことを、素直に書いています。

この仕組みには力がある。

だから、もっと多くの人に届けたい。

石川県・富山県から、「働きながら学び直せる大人の学校」のモデルを発信したい。

大企業に頼らなくても、地域全体で人を育てる仕組みを作りたい。

行政の制度設計に関わる方、労働局や県の担当者の方、この記事が目に留まったなら、ぜひ一度、現場の声を聞きに来てください。

年間70回以上の登壇と、延べ480時間以上の指導の中で積み上げてきた「現場の肌感覚」をお伝えできます。

私はいつでも、教壇に立つ準備ができています。

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