
皆さんこんにちは。
「○○を元気に」
本当によく聞くキャッチコピーですよね。行政の資料、企業のビジョン、選挙のポスター。
この言葉はあらゆる場所に溢れています。
素晴らしい言葉だと思います。誰も反対できない。
でも、ふと立ち止まって考えてみてください。
何をもって「元気になった」と言えるのでしょうか?
DXの現場で見えてくる「曖昧さ」の正体
私はDXの講義で、受講生にIT導入のスケジュールを策定してもらいます。
PoC(実証実験)から中長期計画まで。その中で必ず盛り込んでもらうのが、定量的効果と定性的効果です。
定量的効果とは、数字で測れる変化。
「月の残業時間が20時間減る」「問い合わせ対応が1件あたり5分短縮される」といったものです。
定性的効果とは、数字にしにくい変化。
「社員の笑顔が増えた」「職場の雰囲気が明るくなった」といったものです。
どちらも大切です。でも、日本では圧倒的に定性的な表現が多い。
「なんとなく良くなった気がする」で終わってしまう。
「笑顔が増えました」は美しい言葉です。
でも、その笑顔の裏付けとなる
「残業が減った」「ミスが減った」「お客様からのクレームが減った」
という数字がなければ、それはビジネスでも改革でもありません。
数字にこだわることは、冷たいことではありません。
現実を変えるための誠実さなのです。
あなたの「元気」を、誰かに委ねていませんか
ここで、もう一つ問いかけさせてください。
あなたは、誰かに元気にしてもらわないといけないのでしょうか?
「地域を元気に」という言葉には、どこか「誰かが元気にしてくれる」という響きがあります。
行政が、企業が、外から来た専門家が、私たちを元気にしてくれる。
そういう期待が、無意識のうちに込められていないでしょうか。
いつまで、与えられる元気を待っているのでしょう。
元気な状態って、自分で作るものですよね。
私が考える「元気な状態」の定義
元気な状態をどう定義するかは難しい問題です。でも、私なりの答えがあります。
自分主導で何かを始める。できたかどうかは別にして、小さな「自分事」の成功体験が増えていく。
これが「元気」だと思うのです。
大きな成果でなくていい。
「初めてCanvaで名刺を作れた」
「ChatGPTに業務の相談ができた」
「自分でGoogleフォームを作って社内アンケートを取れた」。そんな小さな一歩。
できたかどうかより、「自分で動いた」という感覚。
これこそが、人の生命力の源泉ではないでしょうか。
誰かに与えられた元気は、その人がいなくなれば消えてしまいます。
でも、自分で掴み取った成功体験は、次の挑戦への燃料になる。
釣り方を教えることが、最大の支援
結局、支援というのは魚を与えることではなく、釣り方を教えること。
補助金や支援金は、確かにありがたい。でも、それは「魚」です。食べたらなくなる。
本当に人を元気にするのは、自分で釣れるようになること。
自分の力で課題を見つけ、自分の力で解決の糸口を探り、自分の力で一歩を踏み出せるようになること。
私は魚を与える支援者にはなりたくない。
泥にまみれながら、一緒に釣り竿を振る。そんな伴走者でありたいと思っています。
石川県で、地方で、DXを通じて「自分で動ける人」を一人でも増やしたい。
それが私の考える地方創生であり、「元気」の正体です。

