
「毒をもって毒を制す」——日本人が最も苦手で、最も得意なものを味方につける。
前回の投稿で、私はこう言い切りました。
「生成AI活用100%なんて目指さなくていい」
「全会一致を求める同調圧力は、思考停止だ」と。
ありがたいことに、たくさんの反響をいただきました。
でも、こんな声も届いたんです。
「じゃあ結局、誰に向けてAI活用を広めればいいんですか?」
……ごもっともです。
今日は、その問いにお答えします。
そして最後には、私が前回あれほど否定した「同調圧力」を、今度はあえて利用するという、ちょっとズルい戦略についてもお話しします。
Contents
「誰に届けるか」の答えはシンプルだった
結論から言います。
年齢? 関係ありません。 性別? 関係ありません。
学歴? 役職? ……ぜんぶ関係ありません。
届けるべき相手は、たったひとつ。
「興味を持った人」
それだけです。
私のセミナーに来る人たちの共通点
これまで2年で70回以上、商工会連合会や職業訓練校で登壇してきました。
参加者の顔ぶれは実にさまざまです。
20代もいれば、60代もいる。 会社員もいれば、個人事業主もいる。
でも、ひとつだけ共通点がありました。
自分の意思で、そこにいる。
自腹で参加費を払う人。 自分の時間を使って学びに来る人。
つまり「熱量」を持っている人たちです。
ただ、今年あたりから少し風向きが変わりそうです。
企業の福利厚生やリスキリング制度の一環で、「会社に言われたから来ました」という方も増えてくるでしょう。
だからこそ、私は改めて考えました。
誰にフォーカスすべきか?
「やる気のない人」を変えるのは、とても難しい
正直に言います。
「気分が乗らない」 「今のやり方を変えたくない」 「別に困ってないし」
……そういう方の考えを変えることも、不可能ではありません。
でも、ものすごく時間がかかります。
限られた時間とエネルギーを、どこに注ぐべきか。
私の答えは明確です。
興味を持ってくれた人に、全精力を傾ける。
ここからが本題です:「逆転の発想」
では、なぜ「興味のある人」だけに集中するのか。
単に効率がいいから?
……それもあります。
でも、もっと大きな理由があるんです。
想像してみてください。
勇気を出して、リスクを取って、生成AIを使い始めた人がいる。
その人が成果を出し始める。 周囲が「あれ?」と気づく。
そのとき、何が起きると思いますか?
日本人が一番苦手で、一番大好きなものが動き始めます。
そう。
「同調圧力」です。
前回否定したものを、今度は利用する
「ちょっと待って、石原さん。前回あれだけ同調圧力を批判してたじゃないですか」
はい、その通りです。
でも、よく聞いてください。
前回私が否定したのは、「全員一致を強要する、思考停止の同調圧力」です。
今回お話しするのは、「先行者の成功が自然と周囲を動かす、普及のための同調圧力」。
まったく別物です。
毒も薬も、使い方次第。
「毒をもって毒を制す」——まさにその発想です。
データが示す「空気の変わり目」
ここで少し、数字の話をさせてください。
新しいものが社会に広まる過程を研究した「普及学」という分野があります。
ざっくり言うと、こんな感じです。
利用率25%前後 →「使ってる人、けっこういるよね」と話題になり始める。空気が変わるスタートライン。
利用率30〜35% →「普通の人も使い始めた」と感じる。ここで同調圧力が本格化。
利用率50%超 → 使う側が多数派に。「なんで使ってないの?」と聞かれる世界。
では、今の日本はどこにいるのか?
総務省の情報通信白書(2025年版)によると、生成AIの個人利用経験率は26.7%。
もう、25%のラインは超えているんです。
つまり、空気はすでに変わり始めている。
次の山は「30〜35%」。
ここを超えれば、同調圧力が持続的に働く状態になります。
だから私は、先頭を走る人を全力で応援する
データが示す通り、今は「全員を説得する」フェーズではありません。
むしろ、興味を持って動き出した人——いわば「先行者」——を成功させることが最優先です。
彼らが道を切り拓けば、その道は自然と広がっていく。
後から来る人たちも、「自分も歩いてみようかな」と思えるようになる。
それが、同調圧力の「良い使い方」です。
おわりに:私の宣言
というわけで、私はこれからも「興味を持ってくれた人」に全精力を傾けます。
やりたい人を、どんどん先に進ませる。 その背中が、次の人を動かす。
地方からでも、世界とつながれる。 自分らしく働ける社会を、一緒につくっていきましょう。

