
物件巡回は現場で完結、帰社後の写真整理と報告書作成をゼロにする時代が来た。
建設、介護、そして「不動産」の現場も同じでした
皆さん、こんばんは。
これまで建設業や介護現場での「Googleツール連携」による業務改善をお伝えしてきましたが、反響の大きさに本当に驚いています。
業種は違えど、「現場」と「事務所」の狭間で非効率が生まれている構造は、まったく同じなんですね。
そして、もう一つ。絶対に忘れてはいけない「アナログ地獄」の業界があります。
それが、不動産管理業です。
Contents
不動産管理の「アナログあるある」:デジカメ写真の呪縛
管理会社の社員さんは、毎日複数の物件を車で巡回されています。
そこで行われている業務は、驚くほどアナログです。
【帰社してからが本当の仕事】
首からデジカメを下げ、片手には紙のチェックリスト。
「共用灯OK、清掃状況OK…」と手書きし、気になった箇所をパシャリ。
そして、夕方。
事務所に戻ってからが、地獄の始まりです。
デジカメからSDカードを抜き、PCに移し、「どの物件のどの箇所の写真か」を記憶を頼りにフォルダ分け。
写真をExcelに貼り付け、サイズを調整し、コメントを入力。
1物件の報告書を作るのに30分。それが毎日5物件分……。
残業がなくなるわけがありません。
オーナーへの報告も遅れがち
「写真整理が追いつかないから、月次報告が遅れる」
「オーナーから催促されて、焦ってまとめる」
こんな声を、どれだけ聞いてきたことか。
これが、多くの現場の現実なんです。
スマホ一つで「巡回=報告完了」の世界へ
この非効率なフローを、Googleの無料ツールを組み合わせることで一変させることができます。
難しいプログラミングは不要。仕組みさえ作れば、誰でも使えます。
【手足】AppSheet:スマホがチェックリストとカメラになる
まず、AppSheet(アップシート)というツールで、巡回専用アプリを作ります。
これは、スマホの画面に「チェックリスト」と「カメラボタン」が表示される、いわば「自分専用の巡回アプリ」です。
物件に着いたらアプリを開き、項目をタップして、その場で写真を撮るだけ。
写真は自動的にクラウドに保存され、物件名・撮影日時・場所も自動で記録されます。
デジカメもSDカードも、もう不要です。
【脳】Gemini:音声入力が丁寧な報告文に変わる
次に、Google Gemini(ジェミニ)という生成AIを使います。
これは、いわば「報告書作成の秘書」です。
「駐輪場の屋根に軽微なサビあり。来月の定期点検で要確認」
こんな風にスマホに話しかけるだけで、報告書用の丁寧な文章に自動変換してくれます。
「本日の巡回において、駐輪場屋根部分に軽微な錆を確認いたしました。進行状況を鑑み、来月の定期点検時に再確認を実施予定です」
こんな感じに整えてくれるんです。
文章を考える時間も、打ち込む手間もゼロ。
【参謀】NotebookLM:過去の情報を瞬時に検索
現場で「この物件の修繕履歴は?」「オーナーとの契約内容は?」と迷うこと、ありますよね。
NotebookLM(ノートブックLM)に過去の契約書や修繕履歴を読み込ませておけば、その場で質問するだけで即座に回答してくれます。
事務所に電話する必要も、分厚いファイルを引っ張り出す必要もありません。
【目】Looker Studio:オーナー報告を自動化
最後に、Looker Studio(ルッカースタジオ)というツールで、オーナー専用のダッシュボードを作ります。
これは、いわば「物件の健康診断レポート」。
巡回データはリアルタイムで集計され、オーナーはいつでも専用画面で物件状況を確認できます。
月末に慌てて報告書を作る必要は、もうありません。
移動時間を「価値」に変える
これまで「移動時間」や「写真整理の時間」は、利益を生まないコストでした。
しかし、この仕組みを導入すれば、現場にいるその瞬間が、最も価値のある情報入力の時間に変わります。
帰社後の残業はゼロ。
オーナーへの報告は即座に完了。
そして何より、社員さんが定時で帰れるようになる。
デジカメをスマホに持ち替えて、業務フローを再構築しませんか?
「うちの業界もアナログだ」と感じている不動産管理会社の皆様。
Googleのツールは、すべて無料または低コストで使えます。
大切なのは、「どう組み合わせるか」という発想と、「最初の一歩を踏み出す勇気」だけです。
地方の中小企業だからこそ、こういった仕組みで大手に負けない現場力を発揮できる。
私はそう信じています。

