
「きれいな文章」じゃない。抵抗勢力の心を動かす、本当のAI活用を教えます。
「5000円は、安すぎませんか?」
先日、金沢市で開催したChatGPTの小規模ワークショップでのこと。
参加者はたった2名。講師歴30年の大ベテランの方と、事務職の方でした。
少人数だからこそ、じっくり手を動かしてもらえる。
私はいつもこのスタイルにこだわっています。
講座が終わった後、そのベテラン講師の方がこう言ってくれたんです。
「石原さん、5000円だと安くないですか?」
全国各地で、大企業向けの研修もされている方からの言葉です。
正直、嬉しかった。でも、それ以上に「なぜそう感じてもらえたのか」を考えました。
Contents
きれいな文章なんて、生成AIを使えば誰でも作れる
ChatGPTを使えば、誰だってきれいな文章は作れます。
「丁寧な言い回しで」
「ビジネスメール風に」
「わかりやすく」—。
そんなプロンプトを入れれば、一瞬で完成です。
でも、私がセミナーで伝えているのは、そこじゃないんです。
「生成AIを、人間関係や組織の隙間に、どうやって滑り込ませるか」
これが、生き残るすべだと思っています。
抵抗勢力の心理を、先に読む
たとえば、新しいイベントを企画するとします。
普通なら「進行表を作ってください」とChatGPTに頼むでしょう。
でも、私はこう伝えます。
「この会議で発生するであろう課題を、先に出してください」
ネガティブな意見を先出しするんです。
「予算が足りない」
「人手が足りない」
「前例がない」
こういう声、組織の中で必ず出てきますよね?
だったら、先にChatGPTで想定しておく。そして、反論の準備をしておく。
これが、「AIを使った心理戦」です。
ペルソナ設計と、そこにいない人の視点
セミナーでは、ペルソナ設計やカスタマージャーニーマップの作り方も紹介しました。
ここで大事なのが、「そこにいない人を組み合わせる」という発想です。
たとえば、社内の会議に「ベテラン社員」「中堅社員」「若手社員」がいたとします。
でも、もし「海外からのインターン生」が職場にいたら、どんな意見が出るでしょうか?
日本では当たり前と思っていることが、実は海外では「なぜそうなの?」と疑問に思われることって、たくさんありますよね。
だったら、ChatGPTに「アメリカのインターン生だったら、この業務プロセスをどう感じる?」と聞いてみる。
さらに、「ドイツから来た学生なら、どんな改善案を出すか?」と視点を変えてみる。
こうやって、会議室にいない人の視点を取り入れることで、思いもよらない改善点や、凝り固まった習慣に気づけるんです。
「安すぎる」と言われた理由
ベテラン講師の方がメモを取っていたのは、まさにこの部分でした。
「AIで文章を作る」というスキルではなく、
「AIを使って、人を動かす」という戦略に、価値を感じてくれたんだと思います。
大人数の講座では、こういう深い話はなかなかできません。
でも、2名だからこそ、じっくり議論できた。
「生成AIは必須」
「働き方も、生き方も、すべてが変化していく」
そんな話を、参加者の方々と一緒に考えられたことが、何より嬉しかったです。
小規模だからこそ、伝わるもの
私は、大人数のセミナーよりも、少人数で手を動かしてもらうことを大事にしています。
なぜなら、「わかる」と「できる」は、まったく違うからです。
頭で理解するだけなら、YouTubeでもできます。
でも、実際に手を動かして、自分の仕事に落とし込む。
その瞬間に、初めて「使える知識」になるんです。
さいごに
生成AIは、ただの便利ツールじゃない。
人の心を動かし、組織を変え、未来を切り拓くための「武器」です。
あなたの職場にも、きっと「抵抗勢力」がいるはずです。
「新しいことはやりたくない」
「今のままでいい」
「AIなんて必要ない」
そんな声を、どう乗り越えるか。
その答えを、ChatGPTが教えてくれるかもしれません。

