石川県の生成AI活用戦略、最大の罠は「県庁がまず学ぶ」こと。—最速の道は現場(民間)での小規模のワークショップやセミナーを開催しまくること

「県庁から」ではもう遅い。民間の切迫感が、石川県を生成AI先進県に変える。

※これは仮定の話です

素晴らしいニュースと、見えてきた「罠」

先日、石川県が生成AI活用を本格的に進めるという話を耳にしました。

正直、心が躍りました。

「ついに、地方からでも世界とつながれる未来が、本当に動き出すんだ」と。

でも、その後に聞いた一言で、私はハッとしたんです。

「まずは県庁の職員が、きちんと使いこなせるようになってから、民間に広げていく」

一見、正しそうな順序ですよね。お手本を示してから広める。

教育現場でも、企業でも、よくある進め方です。

でも、これこそが最大の罠なんです。

生意気を承知で、現場で見た真実を伝えたい

ここから先は、末端の1支援者が生意気なことを言うようで、本当に申し訳ありません。

でも、現場で何度もワークショップを重ねてきた者として、どうしても伝えたいことがあるんです。

「県庁から」だと、スピードが出ない。

理由は、シンプルです。

切迫した問題がないから。

民間企業、特に中小企業の経営者さんや個人事業主の方々は、毎日が勝負です。

人手が足りない。売上が伸び悩んでいる。取引先からの要求が厳しい。明日の資金繰りをどうするか。

そんな「背水の陣」の中で、生成AIという新しい道具に出会ったとき、人は本気で学ぼうとします。

まるで、溺れている人が浮き輪を掴むように。

一方、役所は——言い方が悪いかもしれませんが——今日明日に倒産する心配はありません。

「いつかやれればいいね」

「もう少し様子を見てから」

そういう空気が、どうしても流れてしまう。これは、悪意じゃない。構造の問題なんです。

私が見てきた「現場の力」

私はこれまで、石川県内外で70回以上のセミナーや研修をさせていただきました。

商工会連合会や小規模事業者の方々と、生成AIのワークショップを何度も重ねてきました。

そこで気づいたことがあります。

「現場の人は、驚くほど早く習得する」

理由は明確です。明日からすぐに使いたい切実なニーズがあるから。

「請求書を作る時間を減らしたい」

「お客様への返信文を、もっと丁寧に早く書きたい」

「商品説明のチラシを、自分で作れるようになりたい」

こういう具体的な困りごとを抱えている人ほど、吸収が早い。

そして、使いこなせるようになった方々は、周りにも広めてくれる。

「うちの会社、これ使ったらめっちゃ楽になったよ」って。

最速の道は、「民間から火をつける」こと

だから、私は思うんです。

石川県が本気で生成AI活用を進めるなら、順番を逆にすべきだと。

まず、民間に小規模ワークショップを山ほど開催する。

10人規模でもいい。5人規模でもいい。

能登でも、加賀でも、金沢でも。

商工会、商店街、工場、美容院、飲食店——あらゆる現場に飛び込んで、「生成AIって、こういうふうに使えるんですよ」を体感してもらう。

そうやって、民間のAIリテラシーが高まれば、自然と県庁も動かざるを得なくなります。

「なんで、民間の方が詳しいんだ?」

「県民から、もっとAI活用の支援をしてほしいって声が上がってる」

民間からの"突き上げ"——それこそが、組織全体を動かす最速のエンジンなんです。

私の想い

私は末端の支援者にすぎません。

大きな予算を動かせるわけでも、政策を決める立場にいるわけでもありません。

こんな立場で偉そうなことを言って、本当にごめんなさい。

でも、私には現場で培ってきた1000時間以上の実践経験があります。

そして、何より——

石川県を、生成AI活用の先進県にしたい。

地方だからこそ、新しい技術を使って、自分らしく働ける社会を作りたい。

そのために、もし私たちのような現場の仲間と、県の取り組みが手を組めたなら。

それは、石川県にとっても、私にとっても、最高の未来だと思うんです。

もし、この想いが少しでも届いたなら。

そして、「一緒にやってみようか」と思ってくださる方がいたなら。

それだけで、私は本当に嬉しいです。

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