
皆さんこんばんは。
この記事を読めば、なぜ「DX」という言葉にモヤモヤするのかがスッキリし、「うちの会社でもできるかも」という具体的な一歩を踏み出す勇気が湧いてきます。
流行りの言葉に振り回されず、自分たちの仕事を本当に良くするためのヒントが見つかるはずです。
Contents
その「DX」、本当に必要ですか?
皆さん、こんばんは。
ほぼ毎日のように「DX」という言葉について考え、人と話す機会があるのですが、正直に言うと、これほどしっくりこない言葉もありません。
私自身、アメリカのロサンゼルスで5年間、オンラインショップの店長として働いていましたが、「DX」なんて言葉は聞いたことがありませんでした。現場でやっていたことは、至ってシンプル。
「改善できそうな点や、使えそうな新しい技術があれば、まず試してみる。課題が出たら修正し、ダメならやめる」
ただ、その繰り返したったのです。
それなのに、なぜ日本では「DX」という言葉が、こんなにも重々しく、私たちを思考停止させてしまうのでしょうか?
今日はこの「言葉の呪縛」について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
それ、本当にDX?バズワードに踊らされていませんか?
「DX」という言葉が独り歩きし、過剰なバズワードになっていると感じているのは、私だけではないはずです。
最近よく聞く「SDGs」も同じ構造かもしれません。
言葉が流行ると、「DXをしない企業は時代遅れだ」といった論調が強まり、多くの経営者が焦りを感じます。
そして、「本当のDXとは何か?」という不毛な議論が始まります。
- 「AIを使わないとDXじゃないのか?」
- 「業務改革を伴わないIT化は、ただのデジタル化でDXとは呼べない」
こんな声が聞こえてくると、現場はどうなるでしょうか?
「うちの会社もDX人材を育成するぞ!」と経営層が意気込み、現場の人間が「DX推進担当」に任命される。
でも、具体的に何をすればいいか分からない…。
結果として、適当なコンサルと一緒に調査資料をまとめて終わり、といった「やってる感」だけで終わってしまうケースが後を絶ちません。
セルフレジの導入も、会計ソフトで経理が楽になるのも、立派な「ITの力を使った業務改善」です。
それなのに「それはDXじゃない」と誰かが決めつけることで、現場のやる気や「自分たちの仕事を良くしよう」というシンプルな気持ちが、どんどん削がれていく。
この状況こそが、私が最も憂慮している問題なのです。
今、私たちに必要なのは「翻訳力」
では、どうすればこの呪縛から逃れられるのか。
私が提案したいのは、たった一つ。「難しい言葉を、自分たちの言葉に翻訳する」ことです。
横文字をそのまま使うのを、一旦やめてみませんか?
例えば、こう翻訳するだけで、ぐっと身近に感じられるはずです。
- 「DX」 → 「デジタル“お助け”道具」、「ITで仕事をもっと楽にする方法」、「儲かる仕組みづくり」
- 「データ活用」 → 「お客さんの気持ちをもっと知るヒント探し」、「勘と経験に、もう一本の柱を加えませんか?」
- 「業務効率化」 → 「面倒な繰り返し作業をなくす方法」、「月末のいや~な残業を減らしませんか?」
どうでしょう?
「DX推進」と言われると身構えてしまいますが、「面倒な繰り返し作業をなくす方法を考えよう!」と言われれば、「あの入力作業、何とかならないかな?」と具体的なアイデアが湧いてきませんか?
この「翻訳」をスタートラインにして、そこから一つ一つ着実に進めていく。
それこそが、特に私たち中小企業にとって、最も現実的で効果的なアプローチだと確信しています。
結論:言葉の呪縛を解き、今日できる一歩を踏み出そう
「DX」という言葉が、あなたの会社の可能性を狭めてしまっているとしたら、それは本当にもったいないことです。
中身がよく分からないまま、流行りの用語を連発するのをやめる。
それだけで、私たちは大きな一歩を踏み出せます。
大事なのは、DXかIT化か、ではありません。
その投資が、自分たちの会社にとって価値があるかどうか。ただそれだけです。
まずは、あなたの会社で一番「面倒くさい」と思われている作業を一つ、見つけてみてください。
そして、「それを楽にする道具はないかな?」と探してみる。
その小さな一歩が、会社を本当に変える「変革」の始まりになるのですから。
この記事を書いた人
石原 愛信(いしはら あきのぶ)
石川県DX専門家 / 中小企業支援コーディネーター
石川県内の中小企業・小規模事業者様向けに、生成AIやITツールを活用した業務効率化の伴走支援を行っています。 これまでに商工会などで60回以上のセミナー・研修に登壇 。
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