デルル (Delulu) とは?世界に広がる「前向きな妄想」の力

皆さんこんばんは。

今日は、海外のネットで使われてる言葉についてのお話です。

デルルとは何か?

「デルル (Delulu)」とは、英語の「delusional(妄想的な)」を短縮した若者言葉で、

現実から少し離れた楽観的な考え方や期待を持つことを指します。

この言葉は2013年頃からK-popファンコミュニティで使われ始め、2022年頃からTikTokなどのSNSで広く普及しました。

もともとは、アイドルやセレブに対して非現実的な期待や妄想を抱くファンを揶揄する言葉でしたが、現在では「delulu is the solulu(妄想こそが解決策)」というフレーズも生まれ、自信を持つことの大切さを説くポジティブな意味合いでも使われています。

デルルの使われ方

デルルは主に以下のような状況で使われます:

  • ファンダムの世界:K-POPアイドルやセレブとの妄想的な恋愛関係を想像するファン
  • 恋愛関係:「彼女、彼がすぐ返信してくれると思ってるなんてイタすぎ(She's delulu thinking he'll text back immediately)」
  • キャリアの夢:「彼は30歳までに億万長者になれると思ってるけど、完全にデルル(He thinks he's going to be a billionaire by age 30, but he's totally delulu)」

日本の悲観主義とデルルの関係

日本は世界的に見ても悲観主義が強い国として知られています。

Pew Researchの調査によると、「将来世代の経済状況」について「悪くなる」と答えた割合は、日本は76%で世界で2番目に高い数値でした。

また、別の調査では「日本は世界一悲観主義」とも言われています。

この悲観的な国民性は、日本人の自己肯定感の低さにも表れています。

内閣府の調査では、「私は自分自身に満足している」という質問に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が、アメリカの86%に対し日本はわずか45.8%でした。

デルルの精神から学ぶもの

コーラル・キャピタルのブログによれば、「米国の最も大きな強みの1つは非合理な楽観主義であり、日本の最も大きな弱みの1つは非合理な悲観主義である」と指摘されています。

アメリカの成功の背景には、時に非合理とも思える楽観主義があり、それが社会の変革を後押ししてきました。

一方、日本も明治維新や戦後の高度経済成長期には強い楽観主義が原動力となって驚異的な発展を遂げた歴史があります。

「為せば成る」という精神は、まさにデルルの「妄想こそが解決策」という考え方に通じるものがあります。

日本語の文章でデルルをどう使うか

日本語の文章でデルルを使う場合、以下のような表現が考えられます:

  1. 自己肯定的な文脈で:「少しデルルな気持ちで挑戦してみたら、意外と上手くいった」
  2. ポジティブな自己評価:「デルルかもしれないけど、私はこの企画で成功できると信じている」
  3. 友人への励まし:「時にはデルルになることも大事だよ。妄想が現実になることだってある」
  4. 社会現象の分析:「日本人はもっとデルルな精神を取り入れるべきかもしれない」

世界に目を向け、デルルの精神を取り入れよう

フランスの哲学者アランは「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」と述べています。

つまり、楽観的であることは意識的な選択なのです。

日本が再び活力を取り戻すためには、過度の悲観主義から脱却し、「デルル」の精神、つまり「非合理でも前向きな思考」を取り入れることが重要かもしれません。

明治維新や戦後の高度成長期のように、「できる」と信じる力が社会を変える原動力になるのです。

デルルは単なる若者言葉ではなく、私たちの思考様式や社会のあり方を見直すきっかけになるかもしれません。

時には現実を少し離れた楽観的な視点を持つことで、新たな可能性が開けることもあるのです。