組織依存から自立へ:個人事業主の増加が老害社会を変える可能性

皆さんこんにちは。

今回は「自分が老害になっているのでは?」という疑心暗鬼から生まれた考察をお話しします。

実は、私自身も老害である可能性を完全には払拭できません。

しかし、その大きな原因の一つが「組織にしがみつくこと」にあるのではないかと考えています。

そして、フリーランスや個人事業主、ジョブ型雇用の人々は、こうした「老害」的な面が少ないのではないか—これが今回の記事の出発点です。

現代社会の「老害」問題とは何か?

「老害」という言葉、最近よく耳にしませんか?

年齢を重ねた人が、過去の経験や地位を盾に、時代にそぐわない考えや行動を押し通し、周囲に悪影響を及ぼす現象を指します。

単に年を取ったというだけでなく、思考の硬直化や社会変化への適応力の低下が本質です。

私が考える老害の3大要因は次の通りです:

  • 変化への抵抗(「前例踏襲」「昔はこうだった」という思考)
  • 自己中心的思考(他者視点の欠如)
  • コミュニケーション能力の低下(異なる世代や価値観との対話困難)

ここで興味深いのは、組織に所属している人と個人事業主では、これらの要因に大きな違いが出るのではないかという点です。

組織依存が生む変化への抵抗

組織内で長年働いていると、その組織特有のルールや成功体験が染みつきます。

「前例踏襲」が美徳とされ、「前にやって成功した方法」を繰り返す傾向が強まります。

そして多くの場合、組織の保護下にあることで「変化の必要性」を感じにくい環境に身を置くことになります。

一方、個人事業主はどうでしょう?

市場の変化に敏感であり続けなければ、すぐに仕事がなくなります。

クライアントのニーズ、業界のトレンド、テクノロジーの進化—これらの変化に対応し続けることが生存の条件です。

自己責任が育てる柔軟性

個人事業主の最大の特徴は、すべての結果に自分自身が直接責任を負うことです。

成功も失敗も、すべて自分に返ってきます。

このような環境では、自己変革の必要性を常に感じることになります。

対照的に、組織内では責任が分散され、「前例通りにやったのだから問題ない」という思考が生まれやすくなります。

これが、状況の変化に関わらず同じ行動を繰り返す「老害」的思考の温床になり得るのです。

また、個人事業主は多様なクライアントや協力者と関わる機会が多く、異なる視点を取り入れざるを得ません。

組織内のコミュニケーションが同質的になりがちなのと比べると、この多様性への曝露は思考の柔軟性を維持する大きな要因になります。

市場との対話がコミュニケーション能力を維持

個人事業主にとって、顧客や取引先との対話は生命線です。

一方、組織内では、外部との接点が限られた役職に就くことも少なくありません。

特に年功序列の強い組織では、年齢を重ねるにつれて「指示する側」になり、多様な意見を聞く機会が減っていきます。

個人事業主は常に市場と対話し続けます。

20代のクライアントとも、70代のクライアントとも、効果的にコミュニケーションを取る必要があります。

この「世代を超えた対話の必要性」が、コミュニケーション能力の低下を防ぐ一つの要因になっているのではないでしょうか。

個人事業主の増加が社会を変える可能性

ここまで、組織依存と個人事業主の違いについて考えてきましたが、個人事業主の増加は社会全体の柔軟性を高め、老害化を防ぐ可能性を秘めていると思います。

ただし、誤解しないでいただきたいのは、個人事業主になれば自動的に老害化しないわけではないという点です。

個人事業主でも、過去の成功体験に固執したり、新しい技術や考え方を拒絶したりすれば、市場から淘汰されるだけです。

重要なのは「常に自己変革と学びの姿勢を持ち続けること」なのです。

また、すべての人が個人事業主になるべきだと言いたいわけではありません。

組織に属しながらも「個人事業主的マインドセット」

つまり、変化への適応力、結果への責任感、多様なコミュニケーション—を持つことが重要です。

そして、そうしたマインドセットを育む社会的支援や組織文化の変革も必要でしょう。

老害社会からの脱却に向けて

老害を減らすための社会変革として、私は「個人の自立と責任を重視する文化の醸成」が重要だと考えています。

これは必ずしも全員が個人事業主になることではなく、組織内でも個人の自律性を尊重する仕組みづくりが大切です。

多くの人が「数十年後のゴールを設定してしまう生き方」をしています。

「この会社で出世して、〇〇の地位につく」

「定年まで安定した生活を送る」

確かにこれは一つの選択肢です。

しかし、そのゴールに固執することが、変化への抵抗を生み、結果として「老害」を生み出す可能性もあります。

私たちに必要なのは、勇気を持って「一人で活動できる舞台を整える」ことかもしれません。

それは必ずしも会社を辞めて独立することではなく、自分自身の価値を組織に依存せず創出できる能力と心構えを持つことです。

あなたは今、どんな舞台に立っていますか?

そしてその舞台は、あなたの思考の柔軟性と成長を促していますか?

ぜひ一度、自分自身に問いかけてみてください。

みなさんの人生が、組織依存であれ個人事業主であれ、常に新しい気づきと成長に満ちたものであることを願っています。