家族経営企業のDX改革:「あの頃のやり方」から抜け出す方法

こんにちは!

私は現在は個人事業主ですが、これまで複数社で社員として働いてきました。

ほぼ全ての会社で親族の方が働いていました。

家族経営の会社でした。

今日は多くの経営者から相談される「家族経営とDX」について、本音でお話しします。

「うちは特殊だから」は本当に特殊なのか?

「うちの会社では父が創業して40年、今でも経理は母が全部把握しているんです。でもExcelさえろくに使えなくて...」

これはよく耳にする悩みです。

実は特殊どころか、日本の中小企業の姿そのもの。

日本政策金融公庫の調査によれば、従業員20人以上の企業でさえ約59.9%が家族従業員を抱えています。

家族経営の現場でよく見る"困った場面"

場面1:「お父さんに言えない」症候群
「新しいシステム導入したいんですけど、父が『今までのやり方で十分だ』って聞く耳持たなくて...」(専務・38歳)

場面2:ブラックボックス化する業務
「経理は30年母の担当で、伝票の場所も彼女しか知りません。クラウド会計に移行しようとすると『今のやり方が一番効率的』と言われて...」(社長・42歳)

場面3:親族間の遠慮と不満の悪循環
「叔父が営業部長なんですが、顧客データを全部手帳に書いていて共有されません。でも創業メンバーだから誰も指摘できなくて...」(常務・35歳)

なぜエース社員は家族経営企業から離れるのか

「入社3年目で退職します」

「理由は?」

「正直に言うと、社長のご子息がいつも特別扱いされるのに耐えられなくて...」

これはよくある退職面談の一コマ。

家族経営の企業では、こうした「見えない特権」がモチベーション低下や人材流出の原因になりがちです。

レガシーシステムのように、古い関係性が新しい変化を阻むのです。

従業員たちの本音:社内の親族をどう見ているか

ランチタイムの愚痴:「身内だけのクローズドな意思決定」

「昨日の会議どうだった?」

「あ〜あの茶番?実質、社長と専務(息子)と常務(娘婿)の3人で全部決まってるよ。我々が意見しても『検討します』の一言で終わり。後で聞いたら『やっぱり当初の案でいく』って。なんのために会議やってんだか...。俺たちの時間返せよって感じ」

「だよね。企画書作っても、結局は社長の甥っ子のアイデアが採用されるの見え見えだし」

飲み会での本音:「能力と役職が一致しない不公平感」

「部長になった社長の弟、パソコン使えないの知ってた?」

「あー、いつも書類作成を君に丸投げしてるよね」

「そう。昨日なんて『これ終わらせておいて』って言って、自分は3時に帰ったよ。給料は俺の倍以上もらってるのに」 「うちの取締役(社長の妻)なんて、経理システム導入の話を出すと必ず『難しくて分からない』の一点張り。でも決裁権は握ったまま。IT化が全然進まないのはそのせい」

「家族だからクビにならないってズルいよね...」

退職者との最後の会話:「親族間の不和が会社を蝕む」

「本当に辞めちゃうの?惜しいなぁ」

「もう限界かな。あのね、営業本部長(社長の弟)と経理部長(社長の妹)が喧嘩してると、まともに経費精算すらできないんだよ。先月なんて『弟さんの部署からの申請は全部差し戻し』ってやられて、うちのチームの営業活動が1週間ストップしたよ」

「確かに...」 「家族の確執に振り回されるのにも疲れた。それを解決できるのはCEOだけなのに、『家族の問題だから』って放置。もう無理」

それでも家族経営には大きな武器がある

ここまで読むと「家族経営はダメなの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

むしろ、適切に運営すれば強力な武器になります。

  1. 意思決定の速さ - 形式張った稟議なしでスピーディに決断できる
  2. 長期視点 - 四半期ごとの業績に振り回されない経営ができる
  3. 信頼関係 - お互いを深く理解しているからこそ可能な率直な議論

親族経営×DXで成功するための3つのルール

1. 「家族の時間」と「仕事の時間」を分ける

「日曜の食卓で業務の話をするのはNG。月曜の会議室では"父""息子"ではなく"社長""部長"として接する」というルールを導入した金属加工会社は、DX導入がスムーズに進みました。

2. 外部の視点を定期的に入れる

「月に1度は社外のアドバイザーを交えた経営会議を行う」というシンプルなルールで、客観的な視点を確保している建設会社は、クラウドシステムへの移行に成功しています。

3. 「説明責任」のルールを作る

「誰もが自分の業務を他の社員に説明できること」をルール化した運送会社は、個人に依存していた配送ルート設計をシステム化することで、効率を30%改善しました。

家族経営を「レガシーシステム」から「最強のチーム」に変えることは可能です。

大切なのは、これまでの関係性に感謝しつつも、ビジネスとしての合理性を追求する勇気。

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