高齢者のITスキル支援で陥りがちな"過保護の罠"

皆さん、こんばんは。

今年の冬は本当に雪が多いですよね。

豪雪地帯に住む高齢者の方々は大変だろうなと心配していた矢先、ある地域のニュース番組で印象的なインタビューを目にしました。

「雪かき、大変でしょう?」

というレポーターの質問に、80代の女性が

「まぁ大変ですよ。でも時間があるから」

と穏やかに答えていたんです。

この言葉に、ハッとさせられました。

そう、高齢者の方々には「時間」があるんです。

この「時間がある」という視点から、私たち現役世代が陥りがちな、高齢者に対する思い込みについて、考えさせられました。

よくある勘違い「高齢者はITを理解できない」

「お父さん、スマホの設定は私がやっておくから」

「お母さん、それは難しいから、私に任せて」

よく聞く会話ですよね。

でも、これって本当に正しいアプローチなんでしょうか?

確かに、私たち現役世代は「効率」を重視します。

3分でできることを30分かけて説明するのは「非効率」だと感じてしまう。

でも、ちょっと待ってください。

高齢者の方々には「時間」という贈り物があるんです。

新しいことを学び、習得する時間が十分にあるんです。

「過保護」が奪ってしまうもの

私が担当している70代のクライアントさんが、こんなことを言っていました。

「孫が『危ないから』って、スマホの設定全部やってくれるの。優しいんだけど、自分でできるようになりたいのに...」

この言葉、胸に刺さりませんか?

私たちは「親切心」から色々なことをお手伝いしています。

でも、それによって「学ぶ機会」「成長する喜び」「自信」を奪ってしまっているかもしれないんです。

新しいアプローチ:「時間」を味方につける

私が提案したいのは、こんなアプローチです:

  1. まず、「急がない」と決める
  2. 説明は細かく、でもご本人にやってもらう
  3. 成功体験を積み重ねる
  4. 質問には「一緒に考える」姿勢で向き合う

先日、このアプローチで支援した70代の方が、たった1時間半でChatGPTを使いこなせるようになりました。

時間はかかりましたが、「自分でできた!」という喜びは何物にも代えがたいものでした。

最後に

「時間がかかっても、自分でできる」

これは、どの年代にも共通する大切な価値だと思います。

高齢者の方々の「学ぶ意欲」を信じ、「時間」という味方を活かしながら、一緒に成長していける関係性を築いていきたいですね。

皆さんも、ご家族や周りの高齢者との関わり方を、「時間」という視点から見直してみませんか?

きっと、新しい発見があるはずです。