「引き算の発想で成功するDX」~なぜ今、デジタル化で"減らす"ことが重要なのか~

皆様、こんにちは。

先週から職業訓練校でDXについての講座を担当させていただいています。

このような悩みがDX導入の際に出てくるようです。

「システムを入れれば入れるほど、かえって仕事が増えてしまう…」

「デジタル化したのに、なぜか効率が上がらない…」

実は、これらの悩みには共通した原因があるのです。

DXで陥りやすい「足し算の罠」とは

多くの企業がDXを進める際、

「新しいシステムを導入する」

「最新のツールを追加する」

という足し算の発想で取り組んでいます。

しかし、これこそが失敗の大きな原因なのです。

なぜ「引き算」が重要なのか

成功している企業のDXには、必ず「引き算」が伴っているのです。

成功するDXに必要な3つの「引き算」

1. プロセスの引き算

  • 過剰な承認手続きを3段階から1段階へ
  • 同じような会議を1つに統合
  • 重複した報告業務の廃止

実際にある製造業では、承認プロセスを見直すことで、処理時間が従来の1/3になりました。

2. システムの引き算

  • 古いシステムと新システムの統合
  • バラバラに管理していたデータの一元化
  • 誰も使っていない機能の思い切った廃止

ある商社では、システムを整理統合することで、年間のIT維持費を40%削減できました。

3. 心の中の「引き算」

  • 「今までこうだった」という固定観念を手放す
  • 変化への不安を1つずつ取り除く
  • 「できない」という思い込みからの解放

明日から始められる「引き算のDX」

では、具体的に何から始めればよいのでしょうか?

  1. まずは、日々の業務で「これって本当に必要?」と感じることを書き出してみましょう
  2. 部署内で最も時間がかかっている作業を3つリストアップしてください
  3. それらの作業の中で、デジタル化で省略できるものを検討します

実は、この「引き算の視点」こそが、本当のDXの第一歩なのです。

さいごに

DXは、新しいものを加えることではありません。

必要のないものを整理し、本当に大切なものを見極めることから始まります。

皆様の会社でも、明日から「引き算のDX」を始めてみませんか?